壮大な歌詞に心が震える

【Supernova(9mm Parabellum Bullet)】歌詞解説!歌詞が壮大で素敵!!の画像

圧倒的スケール感でリスナーを魅了する9mm Parabellum Bullet『Supernova』。

この曲には大自然に飲み込まれるような感動があります。

どこまでも続く大地や、落ちてきてしまいそうほど大きい太陽。

そういった人間が手を加えることのできない自然には、言葉にならない神聖さと壮大さがあります。

無力感さえ覚える自然の神秘を、この曲を通して感じましょう。

雄大な美の力によって静かに心が震えます。

ユーモラスでカッコイイMV

『Supernova』のMVはなかなか個性的な仕上がりとなっています。

カッコイイのに、どこかコミカル。

独特のセンスとユーモアが、壮大な歌詞と絶妙にマッチしています。

激しいロックサウンドとの相性抜群

MVに登場するのは刀を持った少女と謎の男たち。

そしてもちろん9mm Parabellum Bulletメンバーも登場しています。

しかし少女たちとメンバーは、どうやら互いに別の世界にいるという設定のよう。

少女と謎の男たちが戦いを繰り広げていく中、メンバーはひたすら熱い音楽を奏で続けます。

MVの中で展開されていく少女たちの物語は、何故かB級映画風。

少女は何かしらの宿命を背負って、男たちとの戦いに挑んでいる様子です。

真面目とおふざけのちょうど中間くらいの演技とアクションが妙に面白い。

アクションや過去回想のシーンを間に挟み、ラストは迫力ある爆発シーンで締めくくられます。

戦いの目的は最後まで分からず仕舞い。

謎の男たちの正体についても明かされないままでした。

ただ、なんとく悪の組織っぽい雰囲気だけは伝わってきましたね。

ツッコミどころ満載ではありますが、アクションシーンとこの曲の激しいロックサウンドとの相性は抜群。

これが本物の映画予告だったら、ちょっと観てみたいかも……?

不思議と人を惹きつける魅力に溢れたMVです。

大自然の中にいる自分を想像して

MVはコミカルに仕上がっていましたが、歌詞はひたすら壮大です。

目に浮かぶ風景は、広大な砂漠だったり、月の光で輝く海原だったり……。

地球の美しさと偉大さを、すべて詰め込んだような歌詞になっています。

気が遠くなるほど長い年月を経て生まれた地球上の自然。

その中に立って息を吸うと、自分がちっぽけな存在であることを思い知らされます。

しかし、その無力感がなんだか心地よい。

ここからは大自然の中に立っている自分を想像しながら、歌詞を読み解いていこうと思います。

空っぽになって悟りを開いた

十万度の太陽を抱きしめた時
砂漠になった僕の頭は
吹き抜ける風に冷やされる度に
涙の雨の水滴がきらめいた

出典: Supernova/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充

「太陽を抱きしめた」とは、太陽の光を全身に浴びている様子なのでしょう。

皮膚が火傷を負いそうな灼熱の光。

それを全身で受け止めたとき、僕の頭はカラカラに乾いていったようです。

悩みやストレス、喜びや悲しみまでも消えていき、空っぽになった僕。

その様子を「砂漠」に例えています。

何も考えられず、ただ体が燃えていくような熱さだけを感じている。

そんな僕に冷たい風が吹き抜けます。

その風によって、僕は悟りを開いたのでしょう。

今まで見えていなかったものが見えるようになった。

それを「涙の雨の~」と表現しているのだと思います。

生きていることだけ感じよう

指先で触れるだけ

誰の胸も 音を立てず 粉々になるだろう
そのカケラが散らばっても集めたりしないで
満月の向こうになにを見ていたの?
砕けた星の海

出典: Supernova/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充

胸が粉々になるとは、大自然を前にして何も考えられなくなる様を表現しているのではないでしょうか?

人はみんな胸の中に、さまざまな感情を抱えています。

それは将来への不安だったり、過去への後悔だったり……。

もちろん大切な人に向けた愛しい気持ちや、些細な出来事に対する喜びもあるはずです。

しかし大自然の中では、それらすべての感情は等しく無意味なものに思えてきます。

そうして何もかもを失くしてしまっても、焦ったりしないで。

「そのカケラが~」の歌詞で歌われているのは、こういうことなのだと思います。

自然に身を委ねて、ただ生きていることだけを感じていればいい。

満月の向こう側や星の海、そんな神秘が私たちを包み込んでくれます。

シンプルに生きていく