楽曲について
堂村璃羽の楽曲『未練』。
相手への恋憂う想いを嘘偽りなくストレートに謳い上げた歌詞が魅力的です。
2019年12月29日にYouTubeにて公開され、公開7か月にして再生回数は120万回を突破。
コメント欄には熱い共感を持った聴き手のメッセージがずらりと並んでいます。
「ツイート」や「LINE」といった身近に感じられる単語を歌詞に取り入れている点にも注目。
完璧に恋悩める若者の心情を投影した歌詞は、聴くものを虜にしていくのでしょう。
早速、歌詞に込められた堂村璃羽さんの想いを1つ1つ紐解いていきます。
未練たらたら
現代に蔓延る複雑な心情
やっともう君とはバイバイさ
ツイートしてるくせに返さないLINE
やっともう君とはバイバイさ
ストーリー載せるのにこないLINE
出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽
タイトルにも起用されている「未練」という言葉。
ここからも分かるように、この楽曲に登場する2人は既に別れているのです。
そして歌詞の1行目に書かれているように、別れるまでは壮絶な物だったのでしょう。
「やっと」という言葉がドシっと重く突き刺さってきます。
先ほども述べたように、ここの歌詞は現代のSNSを彷彿とさせる描写がなされています。
その中で個人的なやり取りとして主流なアイテムこそが「LINE」です。
しかしながらそのLINEのメッセージを置いたまま、他のSNSでは活動をしている状況。
現代の言葉で形容すれば、「既読無視」「未読無視」といったところでしょうか。
相手のメッセージに気付いていながらも、それに返すことなくいるなんとも複雑な心情。
そして、返ってこない方も、不安になって他のSNSからチェックしているのです。
捨てきれない想い
やっともう君への愛は捨てた
短くも長い月日は流れた
やっともう君への愛は捨てた
また1から誰かを探そうか
出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽
ここで注目すべきは歌詞4行目に描かれているフレーズです。
次の新しい恋人を探そうという想いに感じられますが、深層心理はそうではありません。
その意欲も湧かないままに、ただボソッと呟いている無気力さを感じられます。
ここまでの歌詞で多くみられるのは、先ほどから続く「やっと」や関係性の時間についての描写。
よって、2人が寄り添ってきた日々は短かったとはいえなさそうだと解釈します。
ここでは相手への想いを捨てたという言い切りの表現もなされています。
しかしながら実際は、自分に言い聞かせているのではないでしょうか。
まさにタイトルにあるように未練たらたらの状況にあるのだと解釈出来ます。
互いに欲望のまま
私利私欲にまみれた本能
都合いい時だけ早い返信
でも都合悪いときはいつも遅いの
自分の利益あるときは早いけど
それ以外の話はいつも知らんぷり
出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽
私利私欲のままに動いている相手をアイロニカルに表現している歌詞。
ここでいう都合の良い時とは、相手が何かしらの満足感を得られる時でしょう。
人間は自分の欲求を抑えきることは難しいとされています。
それが「性欲」であったり「金銭欲」であったりすれば尚更のことではないでしょうか。
長い間連れ添ってきているからこそ分かる、相手のメッセージの返信速度。
相手が何をいわずとも、こちらにはメッセージの間隔だけで相手の心情が分かるといっているのです。
歌詞の4行目にある「知らんぷり」とは何も返さない「無視」を指しているのではないでしょうか。
段々と相手のパーソナリティの輪郭があらわになってきました。
続けて歌詞を紐解いていきます。
依存しきった主人公
君のいいね欄はいつも顔のいい人たち
ごめんね君のタイプにはなれなくて
どうしてこんな好きになる人がいるのに
君を泣かすクズを君は好きになるの?
出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽