そこでまたアイデアとして出てくるイメージは90年以上も前に発案された送電システムです。
このシステムは電気エネルギーを減らすことなく地球全体に電力を送ろうとする考えでした。
これは平沢進氏がライブで使用されている雷を起こす装置の発明家のものでもありますね。
このアイデアを使えば地球も資源を枯渇されることはないと夢みている様子がわかります。
地球の深部へ
試行錯誤
割れた壁に手を当てて 遥かキミを感じてた
海を渡る電光の 夢で焚いた火を囲んで待つ
聞こえぬ丘のリズムを
出典: 世界タービン/作詞:平沢進 作曲:平沢進
手に触れる感触や音や匂いなど五感を使ってとても遠い地球の中心へ思いを馳せているようです。
その中心にあるエネルギーを何とかして取り出せないかと思案している場面でもありますね。
そこでもう一度地球の誕生について思い出してみましょう。
元々宇宙には沢山の惑星がありました。
その惑星どうしがぶつかりできてしまったゴミのようなものが大きくなってまた惑星ができます。
地球もそのようにしてできた惑星のひとつですね。
そして先述しましたようにその時の地球の表面はきっと地獄谷のようなドロドロの溶岩に覆われていたはずです。
その高熱の地表の温度が下がることで徐々に地球は出来上がったと考えられています。
ですが核(コア)といわれる地球の中心部分の上部にはマントルといわれるものがありますね。
そのマントルはコア近くになると摂氏4000度前後位の熱量があるといわれています。
これは日本に落とされた原爆の熱量と同じ位の威力です。
勿論コアに近づけば近づくほどマントルの熱量は高くなりますね。
このマントルの動きは地震とも関係あるともいわれています。
地表に耳を近づけるとひび割れた地球の皮からも、もしかしたらコアの動きがわかるかも知れません。
未知のエネルギーがそこにはあるかも知れないのです。
不穏な知らせ
街を急ぐ警笛に キミの歌もかすれて
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
キミの歌にめくるめく 古い無音の稲妻で
出典: 世界タービン/作詞:平沢進 作曲:平沢進
不慣れな旅の途中のようにも見えましたが地球の声をかき消すものがあるようです。
では「大丈夫」でない時とはどのような時かというと?
地球の自転が止まってしまう時でしたね。
ではどのような時に止まってしまうのかというと諸説あるようですが現実的ではないことばかりです。
地球より大きな惑星が本気でぶつかってきたら磁極は曲がってしまうかもしれませんが…。
磁極が新たな方向に曲がってしまうと大問題が起きます。
どれほどの不安かは解りませんが古い時代に戻ることができれば助けて欲しい人がいるようです。
二コラ・ステラさんだけでなくともあらゆる発明家を呼んでみるのも良いかも知れません。
掛け声
大吹打(テチーター) 大吹打(テチーター)
鳴金一下大吹打(ヨングミラテチーター)
大吹打(テチーター) 大吹打(テチーター)
出典: 世界タービン/作詞:平沢進 作曲:平沢進
楽曲の始まりの時にもこの声は聞こえていますね。
韓国の民族音楽に使われている演奏の時の掛け声だそうです。
使われている楽器は打楽器など特に変わったものではありませんが日本とはまた違ったアジアの雰囲気ですね。
大地に響くような原始的なインパクトがあります。
赤いトンネル
雨に灼けた往来で キミよ夢に何を見る
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
海を渡る電光の 夢で焚いた火柱で
出典: 世界タービン/作詞:平沢進 作曲:平沢進
「キミ」が夢みることは命の繁栄です。
そのためには地球が回り続けなくてはいけません。
誰もが不安なく歌い続けることのできる世界とは…。
ここにも「火」というキーワードが出てきます。
また地球のコアの話に戻りますとマントルは個体ですが地球の成分を溶かして噴き出した液体がマグマです。
赤いマグマは脅威のエネルギーであり地球を震わせる印でもあります。
リスクを抱えていますが不滅のエネルギーなのです。
最後の場面では遠い昔に夢見た理想の「タービン」で地球のコアに向かって掘り進めて行きます。
ここでは「タービン」を動かすための水蒸気も十分に補えますね。
そして内部には放射能ほどもある熱量の隠された部屋が待っています。
現実にはこのエネルギーを征服することは困難ですがトンネルの先には未知の世界が詰まっているはずです。
まとめ~「新しいエネルギーを探す」という解釈方
この地球上で作られ消耗される電気エネルギーは膨大なものです。
電波を電気エネルギーに変えることは発明家二コラ・ステラがしようとしたことでした。
そして「世界システム」とは地球を守るための発案でもあったのです。
この楽曲は発明家の素晴らしいイマジネーションに触発されたことがテーマになっていますね。
ですがこの「世界システム」の構想は惜しくも完成にはいたりませんでした。
そうしたことを思う時新しいエネルギーを探すという解釈方があっても良いのではないでしょうか。
そして私達が生き残るための新しい方法を「世界」も待ち望んでいます。