The Days の背景

The Nightsとの関係性

Aviciiを代表する曲の1つ、「The Nights」。

この曲は、父親と子供の関係性を描いたものです。

そんな曲と同じアルバムに収録されているのがThe Days。

対になることを意識して製作されています。

DayとNightなので両極を意識していることは明確です。

この2つの曲が発表された年は2014年でした。

Aviciiは前年に付き合っていた恋人と別れ、この年にはもともと悪化していた体調がさらに悪化。

胆のうと虫垂を全摘する手術も受けています。

もともとアルコールに依存しがちだったAviciiは、この年で禁酒するようになりました。

そんな中作られた2つの曲には、自分や、自分を支えてくれる人が歌われているのです。

サウンドとMV

Aviciiの曲のMVはかなり個性的です。

この曲のMVも、最初は歌詞をただスプレーしていくだけです。

しかし、最後には……というお楽しみはMVを確認してくださいね。

ちなみに、MV中の男性はINOというアーティスト。 彼はこのMVでかなり有名になった人物です。

アーティスティックなMVでもあるので、ぜひ見てみてください。

サウンドは、アコースティックギターのフォークソングのような印象で始まります。

Cメジャーのキーで進行するこの曲は、しかし途中からAviciiらしさが全開に。

BメロのあたりからEDM特有の打ち込みやエレクトロニカのサウンドが入ってきます。

そこにアコースティックギターの音が相性良く合わさるのです。

Cメロなどのコーラス、ボーカルのロビー・ウィリアムズの優しい声。

全てが合わさり、これこそAviciiだ、という雰囲気が作られています。

約束を交わした少年時代

木の下で

Under the tree where the grass don't grow
We made a promise to never get old

出典: The Days/作詞:Brandon Flowers 作曲: Tim Bergling(Avicii)

1番Aメロ前半和訳

草が生えない木の下で
僕らは「成長しない」という約束をしたんだ

出典: The Days/作詞:Brandon Flowers 作曲: Tim Bergling(Avicii)

草が生えない木の下、というのはどういうことでしょうか。

これはこの木が植えられてすぐだということを表現していると考えられます。

植樹されたばかりで、土がそのままになっているのです。

しかし、ここに出てくる「僕」には幼すぎて分かりません。

さらに成長しない、という約束をしていることから、まだ幼いということがわかります。

まるで、ピーターパンの世界です。

子どもの頃はずっと子どもでいることができると思っていたのでしょう。

「君」とはもしかすると音楽なのかもしれません。

子どもが純粋に遊ぶように、音楽を楽しんでいた頃の話なのでしょうか。

守られることのなかった約束

You had a chance, and you took it on me
And I made a promise that I couldn't keep

出典: The Days/作詞:Brandon Flowers 作曲: Tim Bergling(Avicii)

1番Aメロ後半和訳

君には機会があって、それを僕にも与えてくれた。
僕は君と約束を交わしたが、それを守ることができなくなってしまった

出典: The Days/作詞:Brandon Flowers 作曲: Tim Bergling(Avicii)

この機会、とはなんでしょうか。

ピーターパンに当てはめると「君」がピーターパンで「僕」がネバーランドにきた子どもです。

機会、とは子どものままでいる魔法のことを指しています。

約束というのは「永遠に子どものままで」という約束でしょう。

原作のピーターパンでは、主人公のウェンディたちは最終的に大人の世界に戻ってしまいます。

このことを踏まえて現実ではどんなことが起こっていたのか考えてみましょう。

Aviciiにとって機会、とはDJとして活躍することだったはずです。

スウェーデン出身の彼はラスベガスでDJデビューを果たします。

その頃は純粋に音楽を楽しんでいたはず。

音楽は、チャンスをくれた存在でした。

しかし世界的に注目されるようになるとそのストレスで音楽が純粋に楽しめなくなったのでしょう。

そのことが暗喩されていると考えられます。