年齢的にも大人になりあの日の「母」に近づくにつれて、「最後の泪」と「母」の「気持ち」がわかるようになったと告白しています。
この「わかる」は、「合理的に理解する。」ということなのでしょうか?それとも「心情を察して共感する。」なのでしょうか?
後者は「許せるようになった」ということですが、なかなか難しそうですね。しかし気持ちの整理が付きつつあり、前に進んでいるように感じられます。
PVをご覧ください
泪を誘うPV
ここで、PVをご覧ください。歌詞では行間に埋まっていた情景が映像化されています。
筆者はこれを見た当時、ホロホロと泣いてしまいました。次の日も思い出し泣きしたのを今でも覚えています。
蝉が鳴き、スイカにナスと夏の風物詩に続きイントロが始まります。スパゲッティを作り、プールに水を張る「祖母」の姿が強調されています。
事情を承知している「祖母」は、せめて楽しく過ごして欲しいと色々と気を回してくれる方なのでしょう。このおばあちゃんの心情を想像すると胸が苦しくなります。
節々で、見せる子供の寂しそうにも何も分からずにうろたえているようにも見える目が更に哀しげです。
アウトロでは、雷の音が挿入され伴さんの立ち姿でフェードアウトします。全体を通してリアリティがあり、実話そのままなのではないかと思うほどです。
コード譜はこちら
コード譜を最後にご紹介します。Add9、sus4、dimと不安定な響きのコードが目白押しですね。不安定な響きが「遠雷」と雨の予感にマッチするアレンジではないでしょうか。
まとめ
少ない言葉で語られると想像力を掻き立てられ、かえって情景がリアルに浮かぶような気がします。
「祖母に預けられ育つ」という境遇は、誰もが経験することではありません。リスナーは想像するしかできませんね。
そして、そのような経験を伴さん自身が歌詞として表現したことは、本人にとっても一つの節目になったのではないでしょうか。
結婚、出産を経た時に、どんな気持ちを変化していったのか気になるところでもあります。
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