ガガとアレキサンダー
先ほど「ファッションデザイナーでした」と過去形で書きました。
実はアレキサンダーさんは2010年2月にすでにこの世を去っています。
奇しくも「Alejandro」がシングルとして発表される2か月前のことです。
もちろん楽曲そのものは2009年に発表済みでした。
ですから、この曲の製作にアレキサンダーさんの死は関係ありません。
後にガガは「Fashion Of His Love」という曲を彼に捧げています。
では、ガガとアレキサンダーさんが恋人関係だったかというと、疑問です。
というのはアレキサンダーさんは同性愛者であることを公表していました。
2000年にはパートナーの男性と結婚式も挙げています。
といっても1年後には2人は別れていますが…
しかし、ガガとの関係は分かりません。
それでも交際していたという情報はないようです。
ただガガはこの曲を「ゲイへの愛情の歌」とも述べていたようです。
その意味ではアレキサンダーさんへの思いも込められているのかもしれません。
これは私とゲイの友達とのピュアな友情についての歌なの。そして、この友情は決してストレートの男性との間には築くことが出来ないわ。私のゲイへの愛情の歌よ。また、ゲイ同士が一緒になることに彼らが見せる勇気への礼賛でもあるの
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/アレハンドロ_(曲)
Fernandoは誰?
先ほど紹介したように、歌詞の中には「Fernando」という名前も出てきます。
「Fernando」は「フェルナンド」と読むスペイン語の男性名です。
この名前はFernando Garibayにちなんでいるのではと言われています。
Fernando Garibayは日本語ではフェルナンド・ゲリベイと表記されています。
スペイン語の音に近い「ガリベイ」や「ギャリベイ」と書かれる場合もあります。
このフェルナンドさんはプロデューサーでありソングライターです。
アルバム「ザ・モンスター」では「Dance in the Dark(ダンス・イン・ザ・ダーク)」を担当。
そしてアルバム「Born This Way(ボーン・ディス・ウェイ)」では重要人物となります。
そこでは半分以上の曲のライティングとプロデュースを担当しています。
そう考えると、この曲の時点で「さよならを告げる」関係であるというのは疑問ですね。
ABBAのFernando
この「Alejandro」という曲は次のような点にも注目が必要です。
それはこの曲がAce of Baseの手法でのABBAへのオマージュという解釈ができるということです。
Lady Gaga The Fame Monster | Album Review | Slant Magazine
アルバム「ザ・モンスター」に関するレビュー記事(英語).
Ace of Base(エイス・オブ・ベイス)もABBA(アバ)もスウェーデンをルーツとするグループです。
ABBAは最近でもミュージカル映画「マンマ・ミーア」の続編で注目されていますね。
そんなABBAの名曲のひとつに「Fernando(フェルナンド)」という曲があります。
ガガはこの曲にちなんで「Fernando」という名前を歌詞に入れたのかもしれません。
この曲を聴いてみると、どこか「Alejandro」と雰囲気が似ているようにも思います。
Robertoは誰?
では3つめの名前「Roberto」は誰のことを指しているのでしょうか。
これは間違いなくプロデューサーの「Rob Fusari」のことではないでしょうか。
「Rob Fusari(ロブ・フサーリ)」はガガと恋人関係であったことは知られています。
また、ガガの初期の活動から関わっています。
「Lady GaGa」という名前を使うきっかけになったのも彼とのやり取りからです。
「Rob(ロブ)」は「Robert(ロバート)」の愛称です。
そしてRobertはスペイン語では「Roberto(ロベルト)」となります。
このRob Fusariとの共作で有名なのは「Paparazzi(パパラッチ)」ですね。
3人のボーイフレンド
楽曲「Alejandro」の歌詞に登場する3つの名前について見てきました。
しかし、「Alejandro」「Fernando」「Roberto」というのは珍しい名前ではありません。
スペイン系の男性と関係を持った女性なら、心当たりのある名前なのかもしれませんね。
そういう意味では、誰のことかと特定するのは間違えているかもしれません。
もっと幅広く、男性全般へのメッセージとも解釈できます。
製作者の考えから離れ、聴く側が自分にあてはめて解釈できるのも名曲たる所以ですね。