当楽曲『帰ってこいよ』の中で本質ともいえるただ1つのフレーズ。
様々な歌詞が肉付けされていますが、結局言いたいことはここなのだと解釈します。
あなたが数十年間ずっと生まれ育った故郷は、いつだってあなたの味方である。
「夢や目標を成功させる」ことにあなた自身が飲み込まれることはないといっています。
たとえ、失敗してしまったとしても何もかにもが無くなったわけではありません。
元気な笑顔で帰ってこようとも、ズタボロに泣きながら帰ってこようとも構わない。
この故郷がいつだってあなたの帰りを待っているという激励のメッセージなのです。
常にあなたの味方
誰かの傍に
君のその愚直な心は 満員電車などに潰されたりはしないのだろうが
額に汗 将来 野望 人間関係 地下鉄の路線図みたいにこんがらがって
信頼出来る人が傍にいるならいい 愛する人ができたなら尚更いい
孤独が悪い訳じゃない ただ人は脆いものだから すがるものは多い方がいい
出典: 帰ってこいよ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
故郷を離れて、ただ1人になったあなたは孤独のままに社会の波に飲まれていきます。
遠く離れた田舎とは大違いの空気感に疲弊してしまうことでしょう。
全てが新鮮に感じられると同時に、目に映るものが全てストレスになっていきます。
始めは虚勢を張ってやり過ごすことも出来るでしょうが、それは長く続きません。
そんな中で、あなたの傍に、あなたが選んだ大切な人達を作っておけというアドバイス。
人間は強そうに見えて、実は心の奥はか弱くいつ崩れてしまうか分かりません。
そうした時に、支えになってくれる人との出会いを大切にしたほうが良いといっているのです。
故郷はそんなか弱いあなたを知って、ずっと傍で守り続けてきたのです。
故郷を想い返して
真っ黒な夜 真っ黒な夜でこそ思い出せ
生まれた町を 今年も花が咲いたよ
出典: 帰ってこいよ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
ここでは故郷を離れた先で押し潰されている様子が描かれています。
何もかもが上手くいかず、全てがマイナスに感じてしまう。
しかし、そんな時こそ、自分の故郷を想い返してほしいといっています。
過去の無邪気だった思い出や何気ない1シーンで構わないのです。
あなたにとって居心地が良かった故郷はいつだってそこにある。
自分の後ろに頼れるものがあるだけで人は強くなれるのです。
先程の歌詞にもあったように、ボロボロになっても帰る場所はあります。
だからこそ、「勇気を出して明日も荒波に飛び込んでみて」というメッセージだと解釈します。
あるがままに進んでいけ
あなたがいなくなったことで
遠くで鳴る境内の祭り囃子 君が居なくたって夏は過ぎるけど
知らせ無くとも 今か今かと 待ち人の面影に振り返り
祭りの後、闇と静寂が落ちて 砂浜に花火と狂騒の残骸
季節巡れど心は止まったまま 君が出てったあの時のまま
出典: 帰ってこいよ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
そしてこちらの歌詞は故郷からあなたを想う様子が描かれています。
ずっと育ててきてくれた大切な人を主観にして読み取ることで、情が強く感じられます。
あなたが居なくなっても、故郷が変わるわけではありません。
あなたが居た頃と同じように、季節は過ぎていきます。
しかし、心にぽっかりと穴が空いたように、どこか身が入らないといっています。
それほどにあなたが傍にいた生活が「当たり前」であったのです。
そこにあるのは、悲しさや辛さをも超越した無力感だと解釈できます。
変わっていく故郷
菜の花畑の風車 コンビニも出来て 分校の校舎も建て替えられて
あれから大分経った この町も様変わりしたよ
勤め先は相変わらずないから 若い奴らはみんな出ていった
昔よく遊んだあの公園も 今年取り壊されるってさ
出典: 帰ってこいよ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
月日が流れて行くと同時に、故郷も昔のままではなくなっていきます。
思い出が作られるきっかけとなった建物や風景も跡形もありません。
そしてあなただけではなく、その後の故郷の若い人たちも外へ巣立って行ったのです。
あなたも故郷も場所は違えど、互いに変化していく状況にどこか儚さを感じずにはいられません。
永遠なんてものはないのだと実感させられるフレーズでもあります。