「ひだまりの詩」基本データ

最初に公式動画でフルサイズをお聴きください。

「ひだまりの詩」は夫婦ユニットLe Couple(ル・クプル)5枚目のシングルとして、1997年5月16日に発売。

当初セールスは伸び悩んだものの、じわじわと売れ行きを伸ばした末、オリコンチャート登場7週目にして2位に上昇。

その後もロングヒットとなり、年間チャートでは堂々第3位の座を射止め、CDの累計売上180万枚を記録しました。

Le Couple最大のヒット曲であり代表曲です。

紅白で大失敗!?

この曲を引っさげて1997年の紅白歌合戦初出場を果たしたLe Couple。

なんとなんと!記念すべき大舞台で、ボーカルの藤田恵美は歌い出しのタイミングを間違えてしまいます……。(これはぼくも覚えています。当時は話題になりました。)

このときのことを振り返って恵美さん曰く、「イントロの尺(=長さ)がいつもより短かったのでうっかりしてた」。忘れられない初出場になったことでしょう……。

月9ドラマの威力は絶大!

【ひだまりの詩/Le Couple】離れ離れになってしまった切ない2人を描く歌詞に迫る!コード付き♪の画像

サントラからのシングルカット

「ひだまりの詩」を語る上で避けて通れないのが、挿入歌に使われたフジテレビの月9ドラマ「ひとつ屋根の下2」です。

まずドラマのサウンドトラックに収録され、次いでシングルカットされたのです。

鳴かず飛ばずだったLe Coupleを、一躍時の人に押し上げたのは、ドラマのタイアップ効果でした。

ドラマからヒット曲が量産された90年代

「ひとつ屋根の下」「ひとつ屋根の下2」が放映された1990年代、テレビドラマの影響力は計り知れませんでした。

1980年代後半、歌番組やオーディション番組が相次いで終了し、それに伴いテレビドラマの重要度が増していきます。

ヒット曲も人気歌手も、ドラマの主題歌や挿入歌から輩出される時代が到来したのです。

フジテレビが確立した成功法則

  • ドラマの視聴率が上がれば主題歌(劇中歌)が売れる。
  • 主題歌(劇中歌)が売れればドラマの視聴率が上がる。

こうしたタイアップ効果を具現化し、90年代の業界をリードしたのがフジテレビです。

今もよく聞く通称「月9(月曜夜9時の帯ドラマ)」を中心に、ヒット作を連発しました。

主題歌も売れに売れました。CDバブルの幕開けです。

「東京ラブストーリー」の主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」(小田和正)や、「101回目のプロポーズ」の主題歌「SAY YES」(CHAGE&ASKAが続けざまにダブルミリオンを達成。

いずれも1991年の作品。90年代初頭は月9ドラマ、恋愛ドラマ、トレンディドラマの時代でした。

【ひだまりの詩/Le Couple】離れ離れになってしまった切ない2人を描く歌詞に迫る!コード付き♪の画像

清貧をテーマに掲げた「ひとつ屋根の下2」

【ひだまりの詩/Le Couple】離れ離れになってしまった切ない2人を描く歌詞に迫る!コード付き♪の画像

「そこに愛はあるのかい?」

このセリフは江口洋介扮する長兄(あんちゃん)の名ゼリフ。流行語にもなりました。

「ひとつ屋根の下」が90年代初頭までのトレンディドラマと違ったのは、これがホームドラマだったということです。

惚れた晴れたや最先端のトレンドとは一線を画し、腰を据えて家族愛・兄弟愛を描き好評を博しました。

1993年放映の第1作は平均視聴率28.4%、1997年放映の第2作は平均視聴率27.0%をたたき出します。

次兄を演じた福山雅治(チイ兄ちゃん)が江口洋介に呼びかける「あんちゃん!」は、これまたモノマネの定番になりました。

脚本家・野島伸司の根本思想。それは清貧。