SUSHIBOYSの前身であるうめTubeは最初からラップをしていたわけではないようです。
活動当初はヒマつぶしの一環として面白動画を中心に投稿していました。
上の動画は学生時代でしょう。
ピタゴラスイッチやアルゴリズム体操のパロディを行っています。
なんといえばいいでしょう...、シュールレアリズム?
すでに才能の片鱗が?
カレーにチャーハン 変幻自在
その味もはや 国際犯罪
史上最強の炭水化物
その中毒性 もはや薬物
月月火水木金金
俺たち農家に休みなんぞねぇ
白米国家の誇りは皆無
黄色い肌は黒くすさむ
出典: お米食べろ/作詞:FARMHOUSE,サンテナ 作曲:不明
ラップを使い始めた時期は不明ですが少しずつ面白動画の一環として取り入れていったのでしょう。
「お米食べろ」には稚拙ながらも後の才能の片鱗を感じさせるものがあります。
特にFARMHOUSEのラップスキルは遊びにしては巧みすぎるでしょう。
後に「Shopping Cart Racer」でサンテナが使う”月月火水木金金”というフレーズがすでに登場します。
「このフレーズってもしかして?」という深読みはラップの醍醐味。
しかしまだ名義はSUSHIBOYSではなくFARMHOUSEです。
初期SUSHIBOYS2人体制時代
hateするならbetしろ
俺の拳 ベルリンの壁みたく強固
母ちゃんの財布が俺のバイブル
リビングこだまする泣き声は負のサイクル
名前は××× テツヤじゃねぇ
3年B組でも更生はできねぇ
嫌いな言葉 マナー 道徳
町営団地に住む Murder
また遠のく 真っ当な人生 監督不行き届き
相い方の奴今じゃ 戸塚ヨットスクール
出典: 俺たちヤンキー/作詞:FARMHOUSE,サンテナ 作曲:不明
コチラの動画はSUSHIBOYSの初期作品でしょう。
後にフリーEP「TAMAGO」に収録される「俺たちヤンキー」がすでに完成しています。
SUSHIBOYSのスタンスは基本的に”遊びの延長”です。
いかに人生を楽しむことに誠実に向き合うか?
そのことを意識してかFARMHOUSEのスキルは格段に上昇。
サンテナのバースには後に繋がるブラックユーモアが溢れています。
ベルリンの壁くらい壊れやすい拳...。
もちろん彼らはヤンキーではありません。
身近にある風景からトピックを見つけどうラップに載せるかがSUSHIBOYSの肝です。
身近な会話から曲が生まれるという現在のスタイルはこの時代に確立したのでしょう。
EVIDENCE加入
当初はハーコーマナースタイルを前面に出したスーパーギャングスタスタイルで活動していたが、ある日訪れた牧場にて、放し飼いにされていた羊の自由なスタイルに衝撃を受け、スタイルを大幅に変更し現在の変幻自在なスタイルを確立。
出典: http://sushiboys.jp/biography
オフィシャルバイオグラフィに記載されている箇所のどこまでをユーモアとして解釈しましょう。
EVIDENCE加入後のフリーDL作「TAMAGO」と同時期に「羊TRAP feat.羊」を動画公開しています。
「アルプスの少女ハイジ」のサンプリングビートに乗せる羊語”メェ~”は衝撃の奔放さです。
以前がスーパーギャングスタスタイルかは別として...。
東南アジアの旅から大切なことを学ぶ
日本人が思う基本には
当てはまることないインド人
Getto SlumにB-boy
溢れかえる乞食と貧乏人
それぞれの地域に違う信仰心
浸透してない文化の壁
同じアジアだが思ったより高けぇ
しかしクラクションの数より溢れてる
笑顔に温かい心が溢れてる
忘れてた 大切な事を
出典: Deepak/作詞:FARMHOUSE 作曲:不明
2018年の「WASABI」収録の「旅に出よう」に通じる世界観は東南アジアの旅を通して培ったようです。
FARMHOUSE名義で公開された「Deepak」はインドで感じたことを即座に言葉に乗せたものでした。
発展途上国の過酷な環境、その中で前向きに生きる人々を見て明らかなモードチェンジが起こったのです。
”生きる”ということ、自嘲気味に語っていた”生越”の素晴らしさを実感じたのでしょう。