天と地ほどに違う感情
待ち望んでいた子供を失った親。
一方で親に対して殺意すらも抱く子供。
親と子供という異なる2つの視点を「紅蓮」と「BURIAL APPLICANT」で表現しているのですね。
自分の勝手で子供を傷つける親。
その現実に対し子供目線で怒りをあらわにした楽曲が「BURIAL APPLICANT」というわけです。
2つの楽曲のキーワードは「揺り籠」ではないでしょうか。
このワードで「子供」をテーマにした楽曲であるのがわかります。
「紅蓮」の歌詞の意味
涙を誘う冒頭の歌詞
ごめんね あと少し アナタの名前と眠らせて
出典: 紅蓮/作詞:流鬼 作曲:the GazettE
生まれてくるはずであったわが子の名前。
それほど愛おしく切ないものはありません。
「産んであげられなくてごめん」そんな意味をこの歌詞から感じます。
直接涙の表現はありませんが、確かに泣いているのが伝わってくる歌詞ですね。
寄り添った過ぎし日は 痛みを喜び合い
両手に映し出す アナタを想い泣いている
此処に降る悲しみは 知らないままでいいよ
安息に震えを覚えた 足りぬ目は何を見る
出典: 紅蓮/作詞:流鬼 作曲:the GazettE
愛するわが子の事を考えたら痛みすらも愛おしい。
そんな表情は伝わってきます。
何度も産まれてきた子供を抱く事をイメージしてきたのでしょう。
どんな人でもきっと想像するはずです。
大切なわが子を腕に抱いているその瞬間を。
きっと元気に生まれてくる予定であったに違いありません。
まさかこんなことになってしまうなんて…
安らかに過ごしていた時の自分は何かに気がつく事ができなかったのか。
そんなもどかしさが伝わってくるような気がします。
わが子に向けた言葉
薄れないでアナタよ
僅かな吐息を聞かせて欲しい
小さな鼓動で泣く
アナタよ 此処までおいで
出典: 紅蓮/作詞:流鬼 作曲:the GazettE
「鬼さんこちら!手の鳴る方へ!」という鬼ごっこの時の遊び歌。
子供に向けた言葉だからこそ、遊び歌の表現を用いたのではないでしょうか。
少しでもいいから呼吸をしてい欲しい。
僅かでもいいから脈を打ってほしい。
そんな「生きていてほしい」感情が見えてくる歌詞ですね。
とてもせつなく涙を誘われる歌詞です。
この曲の中でも一番胸にグッとくる部分の歌詞なのですが…
この後も涙を誘う歌詞がいくつか続いてくるので、みなさん、ハンカチの準備を!
代われない夢に 続きがあるなら
どうか途切れずに...
幸福と呼べなくても 溺れて重ならぬ日々を
出典: 紅蓮/作詞:流鬼 作曲:the GazettE
親は子供が辛い思いをしている時に「代わってあげられたら…」と思います。
子を想う親だからこそ、そんな気持ちが芽生えるわけです。
そんな深い愛情をこの歌詞から感じずにはいられません。
自分は幸せとは言えなくてもそれでもいいから生きていてほしい。
きっとそれが子供に対してではなくても人は大切な人にそう思うでしょう。
その「願う」気持ちがこの歌詞で表現されているのではないでしょうか。
その瞬間
「救いの手さえも曖昧で
秒刻みの繭は糸を千切れずに灰に成る」
出典: 紅蓮/作詞:流鬼 作曲:the GazettE
お腹に赤ちゃんがいるときに何か急変があったのでしょう。
救いの手とは医師や病院の事。
秒刻みとはおそらく陣痛の事。
あと少しで産まれそうであったのではないでしょうか。
お腹の中で産まれてくることが出来ず死んでしまった。
この部分の歌詞でその時の瞬間がリアルに想像できました。