自分の生き方や未来に不安になって迷った時、どうしても投げやりになってしまいがちです。
そんな自暴自棄な時期を「誰でもいいよ」や「迷路」で表現しています。
そして、そんな時に君と出会って恋をします。
そのまま自暴自棄な自分でいることももちろんできますが、恋をしたことで前向きになって変わろうと決心しています。
その様子を金魚から人になるという変化で表現しています。
押し寄せる人波に流されないように
夕暮れ ホームへ駆け上がった
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
前向きになった気持ちは、行動力を伴います。
今までであれば人波を避けて進んでいたり、人波に入ってもきっとうまくは進んでいけませんでした。
しかし、前向きになったことでその中でも流されずに進んでいくことができるようになったのです。
また「夕暮れ」は金魚の色を彷彿とさせます。
「ありがとう」って言うから
心が砕けて
新しい言葉探してる
見えなくなるまで手を振り続けて
また会うための生き物に
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
ここでは君と出会ったことで人と関わることを知ります。
「ありがとう」と言っているのは君で、それに対して自分は心が砕けます。
これはそんな君の優しい言葉に今までの自暴自棄で頑固だった自分の心がほぐされていることを表現しているのではないでしょうか。
そして、優しい君に対して、自分からも伝えたい言葉は本当は「ありがとう」なのだと考えられます。
とはいえ、「新しい言葉を探している」様子からは「ありがとう」以上の言葉が見つからないのではないでしょうか。
言葉にならない分、駆け上がったホームで去っていく君を乗せた電車に手を振り続けて気持ちを表現しているのです。
そして、その行動がちゃんとまた会うための約束になりますようにとの願いも込められているように読み取れます。
すりむいた胸の奥に痛みはあるけれど
可愛らしい戯言に救われた
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
これまでの君の優しさに触れて、どれだけ自分が救われたかをここでは言い表しています。
冒頭の歌詞のように投げやりだった自分はたしかに過去の記憶として存在し、胸を苦しくさせます。
しかし、今はどうでしょう。君のひとつひとつの言葉に支えられている自分も確実に存在しているのです。
「さよなら」ってやだね
終わらなきゃいいのに
優しいものから離れてく
明日は来るかな
ゴムボールが愛しい
転がってどこへ
追いかけて
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「また会いたい」、そんな気持ちが強く表れた歌詞になっています。
最初の「さよなら」という言葉は次に会う約束が取り付けられてないように感じる淋しい言葉です。
まるでもうこの先、ずっと会わないような終わりを感じてしまいます。
「明日は来るかな」からもそんな不安が読み取れます。
そして、登場する「ゴムボール」。これは投げたらちゃんと跳ね返って戻ってくる安心感を表しています。
つまりゴムボールのように安心した未来の確証が欲しい、それは君にまた会えることや明日がちゃんと来ることなのではないでしょうか。その安心感をいつでも求めてしまいます。
切れそうなヒレで泳いでいくよ
想像より少し遠いとこ
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「切れそうなヒレ」という言葉には2つの意味を見出すことができます。
- 傷ついて千切れそうなヒレ
- 周りのものを傷つけてしまいそうな鋭利なヒレ
1の場合は、投げやりだった頃に傷ついた心を表現しているように感じますが、2の場合はどうでしょう。
おそらく人に優しく出来ずに、尖った心を表現しているのではないでしょうか。つまりどちらも投げやりだった過去の自分を言い表しているのではないでしょうか。
また冒頭ですでに人になっているので「ヒレ」という言葉からも金魚だった頃の過去の自分を言っているように感じます。
そして、そのヒレで遠いところまで泳いでいきます。これは過去の自分と向き合おうとしているのではないでしょうか。つまり心の深いところまで自分を知ることで、今の変わった自分を認めてあげたいのだと考えられます。
「ありがとう」って言うから
心が砕けて
新しい言葉探してる
見えなくなるまで手を振り続けて
また会うための生き物に
「ありがとう」って言うから
出典: コメット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
そして、締めくくりです。最後、新しい一節が加わりました。この最後の『「ありがとう」って言うから』は今度は自分が言っているのだと考えられます。
また会うための約束としてちゃんと手を振って、そして、また再会を果たした時に『今度は自分から「ありがとう」と言いたい』という願いが強く表現されているように感じる力を持った歌詞で締めくくられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。1曲を通して、前向きでポジティブな歌詞は背中を押してくれます。またそれだけでなく過去の自分ともちゃんと向き合って認めてあげようという気持ちも表現されているのがこの歌詞の素晴らしいところです。
その素直な歌詞からは、まっすぐに進んでいく彗星を想像することができ、「コメット」というタイトルもぴったりになっています。
さらに楽曲としても歌謡曲テイストのメロディーに、そのまっすぐな歌詞が相まって絶妙な心地よさを作り出していいます。
傷ついた時、もう少し頑張りたい時、そして素直になりたい時、ぜひこの曲を聴いてみてはいかがでしょうか。
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