愛おしい退屈
つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が物顔で
出典: 青春と一瞬/作詞:はっとり 作曲:はっとり
ここのパートは、この歌詞の作者であるはっとりから若者へのメッセージといえるでしょう。
学生時代のつまらなさやくだらなさがかけがえのないものであるということを伝えています。
その期間しか体験することのできない、時間を持て余したような感覚。
過ぎ去ってしまってから、その尊さに気づくことがあります。
だからこそ、はっとりは若者たちへ向かって、その時間を噛み締めろといっているのでしょう。
もう戻ってこない瞬間
いつでも僕らに時間が少し足りないのは
青春と一瞬がセットだから
出典: 青春と一瞬/作詞:はっとり 作曲:はっとり
私たちはいつも楽しい時間が過ぎ去った後に、その時間がもう戻ってこないことを実感します。
いくら退屈だと思っていても、後から振り返ればその時間は尊いものだったと感じることでしょう。
振り返ってみれば、一瞬のように感じるのが青春という季節です。
早く大人になりたいと思っていたその時間も、後からもう少し過ごしていたかったと感じるに違いありません。
若さだけが全てではありませんし、大人になることで視野も広がります。
しかし、若いうちにしかできない経験がたくさんあるのです。
だからこそ、そんな時代を大切にするように伝えたいのでしょう。
まぶしい季節
未来を掴み取るために
覚えておいて、未来は転がるもの
この場所にずっと前からあるもの
全部ぜんぶ 眩しいね
友よ 声よ 昨日よ 僕自身よ
出典: 青春と一瞬/作詞:はっとり 作曲:はっとり
若者たちは未来を夢見ながら様々なことに思いを馳せます。
しかし、その未来というのはどこかから急にもたらされるのではなく、実は自分の近くに転がっているのです。
いつも今までの生活の延長線上に、未来があります。
そんな日常を顧みず、ただ夢見がちになってしまうこともあるでしょう。
しかし本当に大切な未来というものを掴むためのヒントは、目の前の日常に隠れているのです。
そして、そんな日常の中には後から欲しいと願っても手に入らないようなものが溢れています。
夢見るばかりでなく身近なものたちを大切にすることで、自然と未来が切り開かれていく。
ここの歌詞パートには、そんな意味を込めたのではないでしょうか。
夢は自然と増えていく
つまらない、埋まらない退屈だけを愛し抜け
夢が増えればハラが減る、若者であれ
いつでも僕らに時間は少し足りないのだ
青春と一瞬はセットなんだぜ
出典: 青春と一瞬/作詞:はっとり 作曲:はっとり
毎日楽しいはずなのに、不意に退屈を感じてしまう学生生活。
どこか満たされなさを抱えてしまうのは、親の存在もあり自由になり切れないからでしょう。
しかしそんな日常から焦って抜け出そうとすると、後から後悔することもあります。
作者は、この退屈な日常こそが今しかできないことだと伝えたいのです。
夢を語るには、毎日きちんとご飯を食べて日常を愛し続けることが大事。
それは未来というのが、今と密接に関係していることを自覚する上で重要なプロセスなのです。
どれだけ現状に物足りなさを感じていても、いつかは終わってしまう日々。
その一瞬一瞬に目を向けることこそが、青春という日々を謳歌するということなのでしょう。
青春に染まる
大切な思い出になる
染まりたいね
使い切っていたい 黄金の色に咲く春
よだれまみれ 出来心の恋も剥き出しで
出典: 青春と一瞬/作詞:はっとり 作曲:はっとり
青春という時代に染まる。
それは今しかできないことをやるということです。
若者にしかできないことというのは、沢山あります。
授業中に居眠りをしてよだれを垂らすことや、いつの間にか好きになっていた異性にアタックすること。
そんな一瞬一瞬が、振り返った時に大切な思い出の一部となって心に残り続けるのです。
できないことを羨むのではなく、できることを目一杯に楽しむことが青春を謳歌する秘訣だといっているのでしょう。