あげっぱなしの便器という生々しい言葉から楽曲が始まります。
この楽曲はアルバム「girls like girls」のリード曲であり、アルバムの1曲目を飾る楽曲です。yonigeを象徴させるようなインパクトのある歌詞だと思います。
男性はトイレで用を足す場合、多くの人が立って行うため便座をあげた状態のはずです。
一人暮らしをしている男性は、面倒臭がって便座をあげたままにしている人が多いと思います。
この曲の中でも、いつもの癖で便座をあげっぱなしにしていたのでしょう。一人暮らしの女性からすれば、家に男性が来ない限りそのような状態になりません。
トイレに入って昨日男性が泊りに来ていたことを思い出すのです。そこで恥じらっているところにも昨晩のことを想像させます。
すぐに日常に戻るはずですが、彼が泊まっていたという痕跡は残っているものです。
0.2秒の振動とは、インターホンの音か、携帯電話のバイブレーションでしょう。
「ただいま」と言って帰って来てくれないかと願う思いや、「泊めてくれてありがとね」というお礼を伝えるメッセージからまだ繋がっていたいのだろうという気持ちを感じます。
綺麗にたたんだ寝巻きと
少しずれてるこの気持ち
君が悲しく笑うから
それでも良いって思った
出典: ワンルーム/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ
綺麗にたたんだ寝巻きと、少しずれてるこの気持ちという歌詞は対照的に聴こえてきます。ですが、ただ対照的なだけではなく、他にも考えられることがあります。
最初から泊まりに行く予定だったなら、彼は自分で寝巻きを用意したと思うので、泊まりに行ったのは急な話だったのかもしれません。
深読みしすぎかもしれませんが、女性の部屋に男性が着るような寝巻きが置いてあるという部分から、他の男性の影が見えてきます。
2人の男性の狭間で揺れているからこそ、気持ちがずれているのでしょう。
そんなんやっぱ忘れさして
今は君を想いたいよ
明日なんてどうだっていいよ
ずっとこのままいれるように
出典: ワンルーム/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ
人を好きになる気持ちは理屈ではありません。
言葉で表すことができない感情が生まれてくるし、それ以外どうだって良いって思えてしまうのです。
トイレの便座をちゃんと戻してほしい、綺麗にたたまれた寝巻き、悲しい笑み、それらが全て愛しいものになります。
今さえ良ければ良いと思ってしまう、それが恋をしているという気持ちを表しているのです。
yonigeらしいリアルな楽曲
いかがだったでしょうか。yonigeの「ワンルーム」について解説させて頂きました。
yonigeの歌詞は牛丸ありささんの実体験が中心なので、この楽曲も牛丸ありささんの恋愛が元になっているかもしれません。
auのCMからyonigeを知り、yonigeの音楽を聴いてみたいと思う方は多いと思います。
そのような方に一番最初に薦めたい、yonigeらしさを味わえる楽曲です。
アルバムの1曲目ということで、出だしを飾る楽曲としても良いスタートダッシュが切れる楽曲だと思います。
「girls like girls」の他の楽曲も、是非聴いてみて下さい。
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