それがどれほど哀しい結末だとしても...

GOING STEADY【夜王子と月の姫】歌詞を解説!世界が終わっても…夜王子は迎えにきてくれる!の画像

世界の終わり来ても
僕等は離ればなれじゃない
世界の終わり来ても
きっと君を迎えにゆくよ

出典: 夜王子と月の姫/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ

愚かで醜い心を持つ私たち。

しかし本当の愛を知ったとき、私たちはカムパネルラのようになれる可能性を秘めています

明日世界が終わるとしたら?

僕たちはずっと一緒にいよう

たとえこの身が焼け落ちたとしても心はずっと君と離れない。離れたくない。

自らの犠牲も厭わずにその身を捧げることで真実の愛を知ったカムパネルラ。

人間は最後の時が近づかないとそのような勇気が持てないのかもしれません。

しかし真実の愛を知ったあなたは大切な君を守ることができるかもしれません

それがどれほど哀しい結末になったとしても...。

君が星ならどんなに美しいことか...

君が星こそかなしけれ
君が星こそかなしけれ

出典: 夜王子と月の姫/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ

このパートでは歌詞をそのまま受け取って悲しい表現と捉えてしまう方が多いそうです。

しかしこのフレーズは夜王子が月の姫に語りかける言葉です。

宮沢賢治の「敗れし少年の歌へる」にこんな一節があります。

よきロダイトのさまなして
ひかりわなゝくかのそらに
溶け行くとしてひるがへる
きみが星こそかなしけれ

出典: 敗れし少年の歌へる/宮沢賢治

宮沢賢治は「君によく似た星」を見て愛おしい気持ちを抱きます

峯田さんは「敗れし少年の歌へる」の詞を引用することで月の姫への愛しい気持ちを表現したのです。

夜王子は夜空を見上げ月の姫を想う。

そして君に会いにゆくことを決意したのです。

第2部、再び新世界交響楽団

交響曲第9番新世界より第2楽章(家路)/ドヴォルザーク

もう いいかい まあだだよ
もう いいかい もういいよ

出典: 夜王子と月の姫/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ

夜王子は月の姫に語りかけます。

「今行くよ」

月の姫からの返答はありません。遠く離れ過ぎたのでしょうか?

しかし夜王子はもう二度と諦めません

もう一度渾身の力を込めて呼びかけます。

「今行くよ!!」

その声は月の姫に届きます。

「待ってます...」

再び2人を包み込むのはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章「家路」です。

ギターの音色が「家路」に重なります

そして大音量で私たちを「家路」が包み込む...。

「夜王子と月の姫」の感動のラストシーンで2人はきっと出会えたことでしょう

失恋の哀しみを乗り越え美しい物語を作り上げた峯田さん。

その物語を交響楽団のように支えるバンドサウンド。

私たちはこの曲を聴き、内面世界の旅をして強い心を少しだけもらう事ができるのです。

最後に

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今回はGOING STEADYの「夜王子と月の姫」の魅力を紐解いてみました。

銀杏BOYZとなりメンバーを失ってなお峯田さんが歌い続ける曲。

そこには弱い心に少しだけ勇気を分けてくれる魔法が詰まっていました。

そして「夜王子と月の姫」を語る上で欠かすことのできない宮沢賢治の世界。

国語の教科書にも載る彼の作品も改めて読み直してみましょう。

GOING STEADYを、銀杏BOYZをもっと好きになること間違いなしです!

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