冒頭の続きには、「そんな世界から飛び出していこう」といった歌詞があります。
では主人公と君は一体どこへ向かうのでしょうか。
それはおそらく、「夢のある場所」でしょう。
正確に言えば、「夢を追いかけられる場所」かもしれません。
歌詞には、「夢を諦めてしまったら…」といった趣旨の表現があります。
こんな世界では自分の夢も追っていられないということです。
自分の自由や夢を捨てて、社会の制約にのっとって生きなければいけません。
しかしそれでは生きている意味がありません。
自分のためというより、社会のために生きているようなものです。
人生とは本来、自分のためのもの。
到底叶わないことに思えても、やってみなければいつまでも実現しないでしょう。
ここでは主人公が君を、新しい世界への旅立ちを促しているのです。
見たことのない場所へ飛び出すのは、当然怖いことでしょう。
しかしそれでも「このままじゃ何も変わらない」といった意志が暗に強く感じられます。
笑い合える場所
錆びついたマシンガンで 今を撃ち抜こう
乾いた夕暮れに 微笑み選ぼう
出典: 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/作詞:小松未歩 作曲:小松未歩
ここで歌詞はサビに入ります。
【錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう】というタイトルも歌詞中に登場。
主人公が、君を力強く促します。
このままでは何も変化のない今というこの瞬間。
それに抗うように、自由を手にしようと促しています。
なんといってもそれは自分たちのため。
自分たちが、自分らしく生きるためです。
歌詞には「笑顔」というキーワードが登場します。
これは冒頭で描かれた世界観とは対照的なものです。
「1日の最後に2人で心から笑い合えたら…。」
そんな主人公の願いが感じ取れます。
今の状況を打破するのは簡単なことではありません。
しかしいざそこを脱することができれば、穏やかな日常が待っています。
きっと2人は最後に笑い合えることでしょう。
錆びついたマシンガン
強い心の象徴
暗闇を抜けて 人並みの暮らしを
手に入れたって ただ抜け殻になるだけだろう
出典: 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/作詞:小松未歩 作曲:小松未歩
【錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう】というタイトルについて考察しましょう。
なぜあえて「錆びついた」という表現をするのでしょうか。
それは自由がなく、制約された社会が背景にあるからでしょう。
自由の無い社会では、自身の考えや夢、行動が大きく制限されます。
つまり自分の行動や思考までもが自らの思い通りにいかないということです。
これはいわゆるうまく稼働できない機械と同じ。
そこで「錆びついた」という表現を用いたのではないでしょうか。
しかし今やそんな世界から飛び出そうとしている。
つまり現実を打破しようとしています。
そこで、そんな強い意志を「マシンガン」と比喩したと考えられます。
錆びてはいるものの、何もできないわけじゃない。
【錆びついたマシンガン】はそんな自分たちの強い心の象徴といえます。
手に入れたいものは自由
動かされた心が あの頃と今も同じならば
すべてを捨て飛び出そう 今度こそ行こう二人で Run away
出典: 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/作詞:小松未歩 作曲:小松未歩
ではそんなマシンガンで手に入れたいのは一体何なのでしょうか。
歌詞を見ればなんとなく想像がつきます。
社会のしがらみを捨て置き、自由になれる世界です。
あるいは自分たちが輝ける世界とでもいうべきでしょうか。
そこはときめきもなく、自由もないこの世界とは正反対の場所です。
それがどこなのか、具体的な場所は明記されていません。
2人もそれはわかっていないのかもしれませんね。
2人の目標はとりあえず、現実を抜け出すことです。
そこへたどり着けば少なくとももう二度と心が錆びついてしまうことはないでしょう。
主人公は君を自由な世界へ行こうと誘います。
2人の未来
好奇心と喜びにあふれる未来
冷たい風を受けて 沈む夕陽を見た
出逢えた奇跡の この確率を大事にしたい
出典: 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/作詞:小松未歩 作曲:小松未歩
今のまま同じ場所で生活を続けていたら、現状は変わらなかったでしょう。
今から行動を起こすことで、2人の未来は劇的に変わるはずです。
求めている場所に行くには、大変な苦労もあるかもしれません。
しかし、全てを諦めて同じ場所で淡々と日々を過ごすよりはいいでしょう。
歌詞を見ると、2人が出会えたことを嬉しく思うような描写があります。
これは主人公の胸の内でしょう。
主人公にとって、君は非常に大切な存在だと考えられます。
だからこそ、リスクを承知でここから抜け出そうと提案しているのです。
何か選択を間違えば、主人公と君は出会えていなかったかもしれません。
今ここで、2人が顔を合わせているのは天文学的な確率です。
せっかく出会えた大切な人だから、より幸せで楽しく暮らしたい。
そんな思いがあるのでしょう。
2人はこの後、きっとときめきのあふれる世界へと旅立っていくはずです。