1行目の歌詞からは、主人公にとって「今」という瞬間が崖のように絶壁であるということが伝わってきます。
彼にとって「今」を越えていくということは未来に向かって歩みを進めることを意味しているのでしょう。
つまり自分にとっての理想に向かい進んでいくことは「今」この瞬間から始まっていくのです。
彼にとっての「越える」というのは自分を越えていくことも表しているのでしょう。
また3行目の歌詞には、夢に向かって前向きな彼の気持ちが表されています。
諦めず自分の本来の気持ちに正直になろうとしているのでしょう。
できない言い訳よりも、まずは自分の限界を越えてやってみること。
彼にとって今、夢に向かう未来が始まろうとしています。
明日に向かって
夢を渇望する
あがき走ったその先 まだ知らない自分と出逢う
壁に刻み込んだ落書きと 「ネバーマインド」
いま 明日へと弾め
出典: ネバーマインド/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
夢に向かって苦悩しながらも、自分でも予想していなかった自分の新たな1面を発見する主人公。
それは恐らく、夢を渇望する主人公の姿を表しているのでしょう。
自分自身でも気が付かなかった、夢に向かって貪欲な自分。
2行目の「壁」というのは、自身の心の壁のことを表しているのでしょう。
そしてそこに書かれた「落書き」というのは、その夢を抱き始めた頃の初々しい想いを表しているのではないでしょうか。
将来自分はこうなりたいという当時の無邪気な気持ちが、彼の心を今突き動かしているのかもしれません。
また、同行の「ネバーマインド」という言葉は、少々の失敗さえ受け入れるような頼もしさがあります。
彼が理想を実現するために、未来へ向かってひた走っていることが分かる歌詞です。
社会への皮肉
不甲斐ない今日が無意味に捨てられる
(結果至上主義の社会)
ゼロに潜在(ひそ)んだ無限の伸びしろ
(忍ばせてる期待)
自分というストーリー 終わらせない
出典: ネバーマインド/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
このパートでも前述のパートから続いて「今日」という言葉が使われています。
しかしここでの「今日」はどこかネガティヴな意味合いとして使われているようです。
失敗してしまえば無意味だといわれてしまうのが今の社会であると主人公は考えているのでしょう。
結果ばかりが求められる社会に対しての反抗心が感じられます。
また、3行目ではそうして失敗することによってチャンスを奪われてしまうことに対しての言葉でしょう。
「今」できないからといって、未来のチャンスを捨ててしまうこと。
本当は大きな才能が眠っているかもしれないのに、それを放り出してしまうことはしたくないと感じているようです。
彼にとっては失敗というのも成功を手に入れる上で必要なものだと考えているのでしょう。
現実と未来
現実から目を背けない
けなされて苦笑(わら)うだけの
「らしさ」なんて誇りたくはない
目をそむけ理想並べても 遠ざかってく現実(リアル)
出典: ネバーマインド/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
夢を追いかけている中で出会う他人からの心無い言葉。
それに対して言い返すことなく、ただ困ったような笑みを浮かべるようなことはしたくないのでしょう。
どこかで叶わないと思っているからこそ、そうした言葉に対しても反論できないのかもしれません。
現実から目を背けてしまえば、ただ夢ばかり見ている人になってしまいます。
彼はそんな風になりたくはないと考えているのでしょう。
夢に向かって着実に「今」を生きていきたいと考えているのが分かります。
険しい道の先に
長い暗闇の先 灯る光信じて
散り散りになった 約束の切れ端
さぁ 繋ぎあわせて
出典: ネバーマインド/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
そして続く歌詞パートでは、主人公の夢に向かっての決心が綴られています。
夢に到達するまでの道のりは長く険しいものです。
1行目の「暗闇」という言葉は、まさにその夢へと続く道のりを表しているのでしょう。
そして「光」というのはその道のりの先に見える理想の未来を表しています。
彼にとってその「光」へ向かって歩む原動力となっているのは、2行目の歌詞にある「約束」。
この「約束」というのは、過去の自分との「約束」なのではないでしょうか。
つまり自身の胸に夢を抱き始め、その先の未来を思い描いた若かりし頃の自分。
その自分の想いが何重にも重なり合い、彼がその険しい道のりを進むための力となっているのでしょう。
その夢は一朝一夕で描いたものではなく、長い時間をかけてその夢への想いを募らせてきたのです。