「阪急電車（NMB48）」の歌詞の意味を考察！車窓から見える風景に想いを馳せる…関西人なら共感必至

ギターというキーワードが出てきました。

彼はミュージシャンを目指していたようです。

「私」と彼の間にはギターケースがあります。

「私」はそれとなく大切なギターに触れないよう気を遣っています。

彼が二人の間にギターを置いていることで「私」に対する距離感が分かります。

彼が「私」に好意があり電車が空いていればギターを反対に置いて二人の距離を詰めるはずです。

逆に込んでいれば「私」との間の方が安心。

無意識にしていることですが、彼にとって大切なのはギターなのです。

そして一番欲しいものとは、ミュージシャンとしてメジャーになることでしょう。

もし夢が叶っていたら地元でコンサートを開くこともできたはずです。

そうしたら彼と再開する機会があったでしょう。

しかし夢は叶いませんでした。

「欲しかった」と過去形になっているのが重要なポイントです。

売れないながらも音楽活動を続けていたなら「欲しい」となるはずです。

彼がミュージシャンの夢を諦めたという噂は「私」の耳にも入っています。

そして彼は地元には戻りませでした。

彼にミュージシャンとして成功する才能がないことは、二年前の「私」にも分かっていました。

あの日々はもう戻ってきません。

ただ頷くだけでなく、彼に自分の気持ちを伝えるべきだったのかもしれません。

彼に現実を伝えて地元で自分と平凡な毎日を過ごすという選択もあったでしょう。

でも、あの頃は自分の気持ちが分からなかった。

いくら想いを巡らしても答えは見つかりません。

「沈む太陽」から帰宅の電車だったことが分かりました。

「夢」は彼が目指した夢でもあり、自分が彼と過ごす夢でもあったのでしょう。

「私」は二年前に彼と一緒だった同じ立ち位置に一人で乗っています。

おもいっきり失恋したわけではありません。

自分の気持ちが分からなかったために、二年も経ってから失恋に気付いたのです。

彼と気持ちが交わることもなく、切なさだけが残っています。

最後にもう一つ重要なキーワードが出てきました。

二人が乗っていたのは快速電車でした。

阪急電車で快速があるのは京都本線です。

しかも、平日に下りの早朝3本と上りのラッシュ時に7本だけ運行されています。

二人は住まいのある京都方面から大阪に通っていたのでしょう。

大学生なら朝は授業時間が違うので通学時間は違います。

帰りが一緒になるのは同じサークルだからかもしれません。

それなら彼が夢を実現できる才能がなかったと「私」が語るのも理解できます。

この二年間で「私」の何が変わったのか。

同学年であれば彼と一緒の時間が長かったでしょうから違う展開もありえました。

彼が先輩なら社会人になった「私」は大坂に通勤しているのでしょう。

学生時代と違って社会の現実を知れば、彼に対する気持ちが淡い恋だったと気付くことが出来ます。

「阪急電車」という曲タイトルを聞いてまず頭に浮かんだのは映画「阪急電車　片道15分の奇跡」です。

有川浩の小説を映画化した2012年の公開作品で、第35回日本アカデミー賞を受賞しています。

宝塚と西宮の今津を結ぶ阪急今津線を舞台にした群像物です。

主要キャストを京阪神出身者で固めておりネイティブな関西弁が話題になりました。

年齢も性別も様々な乗客たちのエピソードが阪急電車を舞台に繰り広げられます。

その中に同じ大学に通い、阪急電車で帰宅する谷村美月と勝地涼他のカップルがこの歌詞を聞いて思い浮かびました。

秋元康が歌詞を書くときにこの映画と原作が頭にあったとしても不思議ではないでしょう。

それとも「電車を舞台に淡い恋物語の歌詞を書こう。それなら阪急電車」だったのかもしれません。

カップリング曲に関西ローカルなネタをメインにするとしたら街より電車が物語に好都合といえます。

とするなら阪急電車しかありません。

夢を叶えるために上京し果たせなかった若者を、音楽業界の長い秋元康は見て来たはずです。

AKBグループのメンバーも創設以来、去就は様々。

そうした影も部分が投影されているのかもしれません。

他にもNMB48の面白い記事がありますのでそちらもご覧ください。