2番の歌詞を読み解くと

そして2番の歌詞へ進むと2人の間に展開が見え始めます。

花火が2人を寄せ合い、それに呼応するかのように距離を縮める2人

先に進んでみましょう。

2人が強気になれた理由とは?

花火が終わる 終わる 終わる
君の手に触れる 触れる 触れる
なぜか強気になった二人は
気づかれないように
肩が触れ合ってる
花火が終わる 終わる 終わる
君の手に触れる 触れる 触れる
瞬いた空は二人を
そっと寄せ合わせ
夏を奏でる

出典: 夏の終わり/作詞:佐竹 惇 作曲:佐竹 惇

2番目の歌詞ではお互いが強気になっていくさまが描かれていますが、表現はとても緩やかです。

彼氏が彼女の手に触れていくさまは1番と同じですが、徐々に強気になった2人は肩を寄せ合うようになります。

強気になった心境の変化は花火大会の会場という非日常的空間だからかもしれません。

そして夜空に花火が広がるロマンチックな情景が彼女を徐々に彼に身を寄せる気分にさせていったのでしょう。

最初は無邪気に浴衣で走ったりした彼女も、花火が終焉に向かうにつれ気持ちが高ぶります。

彼に対する愛おしさが生じてきたのかもしれませんね。

切ないメロディラインとエモーショナルなリード・ヴォーカルの歌が一層効果的なシーンです。

心地よい夏の空気から感じ取れたものとは

花火が終わった後の家路につく道すがら、どこか寂し気な余韻が感じられます。

主人公の内面では葛藤が生じる様子が印象的な言葉で描かれています。

まだ空いてる店を探して
最後の小銭で買ったサイダー
弾けた恋、汗ばむ君を横目に
花火が終わった後では
強気になんかなれなくて”

出典: 夏の終わり/作詞:佐竹 惇 作曲:佐竹 惇

1行目の表現は、ローカルな雰囲気一杯で、懐かしさを感じさせてくれます。

具体的な名詞が出てくることで、2人の情景がより鮮明になりますね。

サイダーとは実に夏らしい季語といえますし、サイダーの炭酸は甘酸っぱい恋へと連想がつながります。

さらに横にいる汗をかいた彼女は、冷えたサイダーの瓶に滴る水滴とマッチするのです。

しかし主人公の気持ちは花火が終わったことで徐々に弱気なってきてしまいました。

花火が夜空を彩っていた時は彼女と肩を寄せ合うほどだったのに…。

少し距離を空けながら
君の家に向かう道は
ただ、ただ、隣にいるだけ

出典: 夏の終わり/作詞:佐竹 惇 作曲:佐竹 惇

主人公の焦る気持ちと内面の葛藤を押し隠しながら、彼女そばを無言で歩く姿が目に浮かびます。

感情豊かなリード・ボーカルの歌声がいやがうえにもリスナーの感情を揺さぶってくれるようです。

何か言いたいのに言えないもどかしさ。

まだ一緒にいたいのに引き留める口実が見つからなくて、彼は少し動揺しているようです。

勇気を出した初めてのキス

花火が終わる 終わる 終わる
君の手に触れて 触れて 握って
はじめてのキスは
甘いサイダーの味で
次の言葉を考えてなくて

出典: 夏の終わり/作詞:佐竹 惇 作曲:佐竹 惇

そして主人公は遂に意を決して彼女との初キスを叶えます。

特に歌詞の中にある行動によって、彼の決意が伝わってくるようです。

ここの描写は男女ともに胸がキュンとなる瞬間ではないでしょうか。

最後の1行からは自分でもびっくりするほど突然の行動だったことが分かります。

そのあとの気まずさをどう取り繕っていいのかわからない様子です。

この何ともいえない恥ずかしさ、そして愛しさが青春の恋愛そのものを感じさせます。

夏の終わりは君と花火の香り

今は 今は 抱きしめながら
顔を向けるのが怖くなってて
君が 君が 握り返してくれた
君の髪と花火の匂い
心地よい夜の風が
夏の終わりを告げた

出典: 夏の終わり/作詞:佐竹 惇 作曲:佐竹 惇