生命の宿り

DIR EN GREY【OBSCURE】歌詞の意味を解釈!五つの色に込められた意味について紐解くの画像

Bloody Baby & Sacrifice
(血にまみれた子どもと犠牲)

出典: OBSCURE/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

月が意味するもの。それは「胎児」だと考えられます。

英語で綴られている「血にまみれた~」が、まさに冒頭のフレーズにあった「紅月」でしょう。

つまり1つ目の色は、胎児にこびりついた血液の色だったのです。

そんな新しい生命は、これまで描かれてきた望まぬ関係の中で宿ったもの。

それを「月」と表現しているのは、その生命の美しさを表現するためでしょう。

確かにきっかけとなった関係は美しいものではないかもしれません。

しかし宿った生命に罪はない。穢れのない美しいものなのです。

4つの色が意味するもの

黄金色…棘の生えた蜘蛛に成りたい
涙色…記憶を巡らせて
目眩色…夜が始まり人が犇めく
柘榴色…棘を刺して彼方は消える

出典: OBSCURE/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

ここからは残りの4色が立て続けに登場します。

それぞれが何を意味するのか、読み解いていきましょう。

黄金

まずは煌びやかさを感じさせる色が登場していますね。

続く歌詞を見てみると、主人公は虫になることを望んでいるようです。

あえて蜘蛛に例えたのは、きっと仕事上で男性を誘惑する自分の姿と重なったから。

蜘蛛が糸を使って獲物を捕らえるように、自身も男性を誘惑する仕事をしています。

ただし蜘蛛と異なるのは、主人公が相手の男性に食われているところ。

だから願っているのです。蜘蛛と同じように、捕らえた相手を食べてしまいたいと。

「遊女と客」以上の関係を求めてくるような男性に何とかして反撃しようと、その機会をうかがっているのでしょう。

きっと黄金を目指したのは、光り輝き目立つことで多くの男性を捕らえるため。

そのような存在になれば自分を苦しめる男性に復讐ができるかもしれない。そんな思惑があったと考えられます。

黄金は目立たせるための色でもあり、主人公の心の奥底に隠れているギラギラとした憎しみの色だったのでしょう。

この色は主人公である遊女の感情を表現しています。

」という言葉を聞いて多くの人がイメージする通り、悲しさ・苦しさなどネガティブな感情のことでしょう。

 主人公が苦しさを感じているのは、これまでに重ねてきた望まない関係の数々。

これまでに数えきれないほどの男性と関係を持ち、数えきれないほどの苦しみを味わってきたのでしょう。

この色からはそのような感情が読み取れます。

目眩

「目眩」と表現されていることから、目の前が歪んで様々な色が混ざりあっている印象を受けます。

視界不良で思考回路も乱れたまま、あまり頭がハッキリしていない状態なのでしょう。

続く歌詞では人があふれかえっている様子が描かれていますから、この色は遊女が職場で見ている色だと判断できます。

今宵も望まぬ関係に巻き込まれていくことに対する、強い拒絶のような感情が読み取れます。

柘榴

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最後の色は柘榴。赤く小さな実が特徴的な果物です。

ここで柘榴を用いて色を表現したのは、主人公がこれまでに授かり、そして死んでいった胎児たちの命の多さを示すため。

そしてその胎児たちが流した血液の赤をイメージさせるためでしょう。

さらに関係を持った男性が欲望を満たした後の責任なんて取ってくれるはずがありません。

全員がことごとくその姿を消したのでしょう。

そんな男性たちに対する怒りの赤でもあったのかもしれませんね。

最後に