DIR EN GREY25枚目のシングル
発売時期との関連性?
DIR EN GREYが【DIFFERENT SENSE】をリリースしたのは、2011年6月でした。
同年3月には大きな被害をもたらした東日本大震災が起こっています。
リリース時期からして福島の原発事故をテーマにしているとも解釈されている本楽曲。
今回はあえてこの事故とは切り離したまま解説していきます。
楽曲テーマは?
早速歌詞を解釈!
降伏と自由に降り立つまで報復とParadox
致死量身元不明存在理由
Right Now
神殺しのカリスマ不適応な洗脳から
出典: DIFFERENT SENSE/作詞:京 作曲:Dir en grey
さっと読んだだけではいったい何のことやらわからない、難解なフレーズです。
単語1つ1つの意味を理解することは容易いですが、繋げることで不可思議な雰囲気を醸し出していますね。
難解なフレーズの意味とは
まず1行目、単語に分解すると全部で4つの意味が込められています。
ここでは様々な感情に振り回されていることを表現しているのでしょう。
まず前半2つの単語は、否定派の願いが込められていると考えられます。
否定派の意見で肯定派を論破すること。そして肯定派の主張から人々を解放すること。
それが2つの単語の意味でしょう。
続く後半2つの単語は、反対に肯定派の姿勢を感じることができます。
論破されないよう必死に主張を繰り返す肯定派。
論理が破綻していようと、人々を巻き込むため派手な主張を続けているようです。
続く2行目ですが、こちらも3つの言葉が連続して綴られており非常に意味が取りづらい部分ですね。
おそらく1つ目の単語は、両者がやり合うことで放たれた言葉たちが飽和していることを意味しています。
論争の激しさを物語る単語です。
そして2つ目と3つ目ですが、これはおそらくそれぞれの派閥に所属する人たちでしょう。
何かを肯定する際も否定する際も、先陣を切って主張する人たちは目立ちますし印象に残ります。
しかしそれぞれの言い分を支持しているだけの人は?大々的な主張をすることはありませんね。
つまり互いの言い分が飽和している状況の中でも、主張されずに眠ったままの意見があるということでしょう。
何に洗脳される?
続く4行目。
ここで神様と表現しているのは「人々が信じていること」「一般的に持たれているイメージ」でしょう。
それを聞けば多くの人が納得し、否定することもない事実。
一般教養といえば1番近いかもしれません。それを「殺す」といっていますね。
物騒な表現ですが、あえてネガティブ表現をすることでその事実の重さを表現しているようにも感じられます。
続くカリスマはその単語の意味通り、多くの人に注目され時に崇拝されるような存在のこと。
カリスマの発言はその内容の真偽に関わらず多くの人に影響を与え続けます。
信じるという行為に根拠などなく、「カリスマが言った」というただその1点だけで人が行動を起こしてしまう…。
ここではそんな影響力の大きさをカリスマという言葉で例えているのでしょう。
楽曲テーマと照らし合わせれば、カリスマは「何かを押し進めようとする肯定派の人々」。
その何かを有利に進めるためには手段を選びません。「不適応な~」がまさにその様子を表現しています。
太陽と月が意味するもの
月夜に翻弄か?
Our Blackened Sun
出典: DIFFERENT SENSE/作詞:京 作曲:Dir en grey
太陽と月。登場しているのは対照的な単語ながら、これらが意味しているのは全く同じ状況です。
まず太陽が出ている時間帯をイメージしてみてください。明るく、周りの状況がはっきりと見えますね。
反対に月が出ている時間をイメージするとどうでしょう。
周りの状況は見えませんが、月に照らされた場所だけは明るく見えます。
これをテーマ通りに解釈してみましょう。
太陽が出ている。つまりすべてが平等に明るく見えるということです。
つまり人々は様々な意見を聞き、他者の発言へ疑問を抱いたり真偽を確認したりできるということ。
しかし反対に月が出ている時間。見えるのはほんの一部だけです。
つまり月というカリスマの周辺しか見えませんから、その人が言ったことすべてが正しく思えてしまうのです。
この解釈を前提に直前のフレーズを見ると、カリスマによる洗脳が完了したと捉えることができますね。