楽曲「RIVER」のもつ魅力
そんな映画「寝ても覚めても」の主題歌が、tofubeats「RIVER」です。
tofubeatsの持ち味といえばダンスミュージック的なサウンド。
この曲ではそれを踏襲しながらもピアノが中心に使われており、一味違ったtofubeatsを楽しめるのです。
ここでは、楽曲「RIVER」のもつ魅力に迫っていきます。
落ち着いたピアノが魅力的
楽曲「RIVER」はシンプルなピアノの伴奏から始まります。
四拍子で和音が弾かれるピアノは展開しながら曲全体を通じて演奏されます。
tofubeatsは名前の通りハウスに影響を受けたビートが特徴的でした。
そのビートはこの曲では後半で聴くことができます。
変則的なリズムトラックは心地よく、楽曲の世界に惹き込まれてしまいます。
tofubeatsの語りかけるような歌唱
tofubeatsの特徴のひとつとして、オートチューンによるケロケロボイスがあります。
ケロケロボイスとは、Perfumeが多用する音声加工のこと。
音程を機械で自動調整することによって、歌声をシンセサイザーのようにするものです。
この加工がされると、歌声は機械的になり感情が抑圧されます。
この曲でも例に漏れず、tofubeatsの歌声がケロケロ加工されています。
初めて聴くと違和感があるかもしれませんが、慣れてくると妙に心地よく聞こえます。
「RIVER」では、そういった点にも注目して聴いてみましょう。
ケロケロボイスで語りかけるように歌うtofubeatsの歌声は唯一無二で魅力的です。
映画「寝ても覚めても」の世界観に寄り添った「RIVER」の歌詞を解釈
寝ても覚めても愛は……
寝ても覚めても愛は
とめどなく流れる
なぞるたびに線は
太く 深く 強く
空から降った雫を
集め今たどり着いたよ
出典: RIVER/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats
消えることのない愛
一度生まれた愛は
二度と消えることなく
空と海のあいだを
まわる まわる まわる
大雨が降ったあとに
溢れ出た気持ちをそっと
すくいあげて
出典: RIVER/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats
愛は、水のように循環しているといいます。
海で蒸発して雲となった水は空へいきます。
空の雲はやがて大雨となって降り注ぎ、川となるのです。
tofubeatsは愛を、そういった水の循環にたとえているのです。
映画のテーマでもある「一度終わったはずの愛がまた始まる」ことを、川にたとえたのでしょう。
tofubeatsの巧みな表現に脱帽です。