寝ても覚めても: 増補新版 (河出文庫)
柴崎友香
河出書房新社
販売価格 ¥799(2018年8月23日14時34分時点の価格)
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楽曲「RIVER」のもつ魅力

そんな映画「寝ても覚めても」の主題歌が、tofubeats「RIVER」です。

tofubeatsの持ち味といえばダンスミュージック的なサウンド。

この曲ではそれを踏襲しながらもピアノが中心に使われており、一味違ったtofubeatsを楽しめるのです。

ここでは、楽曲「RIVER」のもつ魅力に迫っていきます。

落ち着いたピアノが魅力的

楽曲「RIVER」はシンプルなピアノの伴奏から始まります。

四拍子で和音が弾かれるピアノは展開しながら曲全体を通じて演奏されます。

tofubeatsは名前の通りハウスに影響を受けたビートが特徴的でした。

そのビートはこの曲では後半で聴くことができます。

変則的なリズムトラックは心地よく、楽曲の世界に惹き込まれてしまいます。

tofubeatsの語りかけるような歌唱

【tofubeats/RIVER】「寝ても覚めても」の世界観に寄り添う歌詞を解釈!愛の本質とは?!の画像

tofubeatsの特徴のひとつとして、オートチューンによるケロケロボイスがあります。

ケロケロボイスとは、Perfumeが多用する音声加工のこと。

音程を機械で自動調整することによって、歌声をシンセサイザーのようにするものです。

この加工がされると、歌声は機械的になり感情が抑圧されます。

この曲でも例に漏れず、tofubeatsの歌声がケロケロ加工されています。

初めて聴くと違和感があるかもしれませんが、慣れてくると妙に心地よく聞こえます。

「RIVER」では、そういった点にも注目して聴いてみましょう。

ケロケロボイスで語りかけるように歌うtofubeatsの歌声は唯一無二で魅力的です。

映画「寝ても覚めても」の世界観に寄り添った「RIVER」の歌詞を解釈

RIVERの歌詞では、映画「寝ても覚めても」とリンクした世界観が歌われています。

「寝ても覚めても」はヒロインの葛藤を描いた恋愛映画

そこで、RIVERの落ち着いた歌詞と、そこで歌われる「愛の本質」を解釈していきます。

寝ても覚めても愛は……

寝ても覚めても愛は
とめどなく流れる
なぞるたびに線は

太く 深く 強く
空から降った雫を
集め今たどり着いたよ

出典: RIVER/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats

映画のタイトルでもある「寝ても覚めても」から始まる歌詞冒頭部分。

愛を「流れる」と表現し、タイトルでもある「川」を連想させます。

愛は川のように、なぞるたびに太く、深く、強くなっていくのです。

消えることのない愛

一度生まれた愛は
二度と消えることなく
空と海のあいだを
まわる まわる まわる
大雨が降ったあとに
溢れ出た気持ちをそっと
すくいあげて

出典: RIVER/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats

愛は、水のように循環しているといいます。

海で蒸発して雲となった水は空へいきます。

空の雲はやがて大雨となって降り注ぎ、川となるのです。

tofubeatsは愛を、そういった水の循環にたとえているのです。

映画のテーマでもある「一度終わったはずの愛がまた始まる」ことを、川にたとえたのでしょう。

tofubeatsの巧みな表現に脱帽です。