皆いつか年老いていく
いつかはみんなお爺ちゃんお婆ちゃんです
何かしら次に繋いでネンネします
出典: Theater/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴
その次には時の流れを感じさせられる言葉が続いています。
夢のような未来を思い描いた先で、人は皆同じように年老いていくのです。
そのことを受け入れ、世代を繋いでいくという生命の連鎖にも言及しています。
ここで気になるのは2行目で語られている「ネンネ」という言葉です。
「ネンネ」というのは眠るという行為を彷彿とさせます。
それをどこか可愛らしくいい換えているように感じる表現です。
しかしこれは単純に眠ることを指しているのでは無く、何か他の意味を込めてあるのでしょう。
ここでは眠る行為から死を連想させているのではないでしょうか。
「死んだように眠る」という言葉もあるように、死と眠りというのは関連付けられることがあります。
そしてここではそれを「ネンネ」という柔らかい言葉によって表現しているのです。
これによりユーモアを込めて死に言及しようとしているのではないでしょうか。
沢山の時間を過ごして
世界の謎
砂漠と化したオアシスも
今しか届かない声も
宇宙のパズルは
まだまだ解けない
出典: Theater/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴
このパートでは世の中にある様々な謎に対して想いを馳せています。
世界にはまだ解けていない謎がたくさんある。
そしてそれは今後解けるかもしれないけれど、多くの時間がかかることでしょう。
地道に時間をかけて解いていくその時間にワクワクした感情を抱いているのかもしれません。
私たちはまだ世界に分からないことがあるからこそ、未来を思い描くことができるのです。
長い時間をかけて
何から話せばいいんでしょう
月日なら数えられるけど
単位が違うな
出典: Theater/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴
主人公は何を話せばいいのか迷っています。
これは前述のパートと関係しているのでしょう。
前述した内容からも分かる通り、主人公はとても長い時間の流れに想いを馳せています。
そのため、どこからそれについて言及すれば良いのか分からなくなっているのでしょう。
どうすればそうした時の流れや自分の想いを伝えられるのかを考えているのかもしれません。
遠くの未来の君へ
遥か遠い未来で
君は自転を無視したブランコを漕ぐ
天の河で水遊びをした
次の日は風邪を引いたからネンネします
出典: Theater/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴
ここでは「君」が主人公の想いを馳せた未来で過ごしている様子が描かれています。
幻想的な光景を思い描いており、主人公の想像力の高さが感じられる表現です。
もしかしたら起こるかもしれないその光景は私たちに未来の秘められた可能性を感じさせます。
今の私たちが現実離れしていると感じるようなことも未来では普通になっているかもしれない。
まだ予想もできないようなことが未来で待っている。
主人公はそう思っているのではないでしょうか。
未来に対しての憧れが感じられる表現です。
過去を振り返る
振り返るとそこにあるもの
振り向けばそこにはただ
歩いてきた道と花の園
語り継がれる愛はまた
白く眩しく温かい場所
出典: Theater/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴
今まで未来のことについて語ってきた主人公。
そんな彼がここでは今までのことを振り返っています。
様々なことがあったに違いない今までの人生。
しかし振り返ってみるとそこはまるで花畑のようでした。
それはつまり、今までにあった悲しいことも苦しいことも彼にとっては輝かしいものであるということ。
これまでを振り返ってそれらを全肯定してみせているのでしょう。
未来も過去もどちらも肯定する主人公の力強さが窺える歌詞パートです。