同タイトルアルバムのラストを飾る曲
星野源の初ソロアルバム収録!
今や国民的ポップスターとして、お茶の間から音楽業界まで多くのファンに愛される星野源。
そんな彼にも、当然のことながら駆け出しと呼ばれる時代がありました。
今回ご紹介するのは、そんな星野源による駆け出の時代の作品です。
貴重な制作風景もチェックしてみて
歌詞解説の前に、当時の星野源の非常に貴重な映像を少しだけご紹介しておきましょう。
先述のアルバム「ばかのうた」を制作した時の映像が、このように動画サイトに残されているようでした。
本記事でご紹介する【ばかのうた】や、今なお多くの星野源ファンに愛される名曲【くせのうた】など。
アルバムを彩る楽曲がどのようにメイキングされているのかが分かる、とても珍しい映像となっています。
まだ初々しさの残る星野源の姿は、ファンにとっては必見ですね。
さて、それではここから「ばかのうた」の歌詞を解説していきたいと思います。
星野源はこの楽曲に、どのようなメッセージを込めているのでしょうか。
早速歌詞を見ていこう
頑丈な家、じゃなくてもいいの?
ぐらぐら 揺れる地面の上の家
いつかは崩れ落ちて さあ やり直し
今までの色々は 忘れていいよ
出典: ばかのうた/作詞:星野源 作曲:星野源
家を建てる、という言葉を聞くと皆さんはどんな光景を想像しますか?
強固な鉄筋を組み、重厚なコンクリートで、この家が崩れないようにと頑丈な家を建てる。
そのような光景を想像したり、あるいは見たことのある方も多いことでしょう。
しかし、この歌で建てられた家はどうやらそうではないようですね。
地面の上に建てられた家はグラグラと簡単に揺れてしまっています。
こんな家では歌詞にも歌われるように、崩れてしまうのも時間の問題でしょう。
しかし、星野源はこの歌でそんな家を決して否定していません。
むしろそれでもいいよ、壊れたらまた作り直せばいいのだから。
その時にはついでに、今まであった苦しいことも悲しいこともいざこざも全てなしにしてしまおう。
曲の雰囲気も相まって、そんな穏やかな優しさや余裕すら垣間見えるような気がします。
そして何よりこれまでの過去のマイナスなことを、彼は全て許してしまっているのです。
過去に誰かにされた嫌なことや悲しいことを、普通であれば簡単に許せる人はいないのではないでしょうか。
星野源というアーティストの優しさや懐の広さが伝わるような、そんな言葉ともなっていますね。
家や土地が表しているものとは
ああ もう
ぼくらの土地は いつだって揺れてる
ぐらぐらの心の上 家を建てよう
出典: ばかのうた/作詞:星野源 作曲:星野源
この箇所で、先述した家が建っている場所は僕らが持っている土地であるということがわかります。
しかし、この社会の中で本物の土地を持っているなんて人はごく一握りです。
ですので、歌詞の中の「土地」や「家」は比喩表現であるということが分かりますね。
いつもグラグラと揺れている僕らの「土地」、それは私たちがもつ「心」であること。
それがここからは読み取れるのではないでしょうか。
確かに人の心とは、どんな時でも簡単に揺れ動き移ろいゆくもの。
ですが心の移ろいゆく様を、星野源はそれでもいいと受け入れているのです。
むしろその揺れ動く様子や移ろいを、どこか楽しんでいるようにも感じれますね。
そんな揺れ動く心の中に、建てようとしている「家」。
これはきっと、何かをしたい!という希望や夢、何かを成し遂げたい!という決意。
そういったものを表した言葉なのではないかと思います。
心の中に抱く夢や決意。抱いた当初はその思いは熱く燃え滾っていることでしょう。
しかしその思いの熱さや強さを継続して持ち続けるのは、とても難しいことですね。
時には心変わりをしてその夢や決意がなくなり、また新たな夢や決意をすることもあるはず。
星野源はその心変わりを決して否定せず、それでもいいんだよ、と伝えてくれているのです。
これからもずっと心は揺れる
新しい「家」を建てるには…
なんでも いつかは飽きて さようなら
笑って 生まれ変わった ふりをする
これからの色々は ばかで染めよう
出典: ばかのうた/作詞:星野源 作曲:星野源