茅原実里の「境界の彼方」とは?

「境界の彼方」(きょうかいのかなた)は、2013年10月30日に発売された茅原実里の18枚目のシングルです。

ファンの間では所属事務所をM-Peaceに移籍後初のシングルとしても知られています。

また、畑亜貴が作詞、菊田大介が作曲を務めた、テレビアニメ『境界の彼方』の主題歌で、

この作品には茅原実里も主要キャラクターの一人である名瀬美月役で出演しています。

主題歌になったアニメ『境界の彼方』について知りたい!

【境界の彼方/茅原実里】初の〇〇で発売!?青春を感じさせる歌詞を解説!アニメ主題歌!の画像

『境界の彼方』は、鳥居なごむ著作のライトノベルで、2013年10月からアニメ化、2015年には劇場化された大人気作品です。

物語の主人公は、世界を徘徊する異形のものである妖夢を退治するのが仕事の異界士の母と妖夢の父の間に生まれた神原秋人で、強力な力と不死身の体を持つ半妖夢です。

そして、世界を滅ぼすような力を持つ半妖夢である主人公を討伐すべく送り込まれた異界士、ヒロインの栗山未来は呪われた血族の末裔。

それぞれが理解されない孤独を抱えながら、二人は出会い、幾多の戦いを超えて惹かれ合い、運命は変わっていく...。

という重めの設定のファンタジーアクション作品でありながら、キャラクターも個性的で可愛らしく、高校生らしい青春や恋愛も描かれているところがファンの心を掴んで離さないこの作品の魅力ともいえるでしょう。

そんな『境界の彼方』の主題歌となった同題のシングルも、運命を変える二人の出会いや孤独を描き出しつつも、青春を連想させるような爽やかで疾走感のあるナンバーとなっています。

茅原実里「境界の彼方」の歌詞解釈!

ここからは茅原実里の「境界の彼方」の歌詞を解釈していきます。

アニメの世界観を見事に表現した歌詞でもあるので、必要なところはアニメの内容も踏まえながら解説しますよ!

夜明けの気配は希望の始まり...!?

孤独が頬を濡らす 濡らすけど
夜明けの気配が静かに満ちて
私を空へ招くよ
希望が彼方で待ってる そうだよ行くよ

出典: https://twitter.com/hibiku_kokoroh/status/868366499035004928

「孤独が頬を濡らす」けど、「夜明けの気配が静かに満ちて 私を空へ招く」という歌詞は、

「希望が彼方で待ってる」ことを信じて孤独に戦う栗山未来の想いが歌われている歌詞です。

「夜明け」は希望でありその「気配」とは希望の兆しのことでしょう。

今は孤独な戦いの中に身を置いていても、やがて希望に満ちた未来が訪れ、私を大切な人の元へと導いてくれるということですね。

物語を知っている人は何のことを言っているかわかるかもしれませんが、最終的にどうなるのかが描かれている歌詞でもあるので、

少しずつ解説を加えていきたいと思います。

続きの歌詞も見ていきましょう。

「境界の彼方」との戦いの中で交錯する二人の想い

迷いながらも君を探す旅
すれ違う意識 手が触れたよね
捕まえるよしっかり
求め合う心 それは夢の証
互いを受けとめる度に 惹かれてく
悲しい日々はもういらない
互いを受けとめて 生きる喜びに
きっときっと ふたり目覚めるよ

出典: https://twitter.com/Butadon_EXE/status/871721738874126336

アニメの物語に関わるところなので少し解説しますが、タイトルにもなっている「境界の彼方」は、人の怨嗟が飽和状態になると数千年に1度、現世に現れると言われている妖夢であり、世界を滅ぼす存在で、半妖夢である秋人の妖夢の部分のことです。

討伐できるのは呪われた血の一族である未来だけですが、秋人を殺したくなかった未来は、

その妖夢が覚醒しやすい状態の凪の日に自分の血を秋人に流し込むことで秋人の中から「境界の彼方」の部分を追い出し、力を使い果たして現世から消えてしまい、秋人は長い眠りにつきます。

しかし、実際には未来が作り出した長月市という現実とは隔絶された世界の中に未来はいて、その世界の中で「境界の彼方」と孤独に戦い続けていたのでした。

「迷いながらも君を探す旅 すれ違う意識 手が触れたよね」という歌詞は、

長月市の中で未来が作り出した秋人の手を自分の頭に乗せますが、未来の想いから生み出された傀儡に過ぎないその手はするりと落ちてしまうという切ないシーンを連想させます。

また、「捕まえるよしっかり 求め合う心 それは夢の証」という歌詞からは、

眠りから覚めて事情を知った秋人が未来を助けるべく、「境界の彼方」の中に入り、戦いの中で重傷を負った未来を抱きとめるシーンが浮かびますね。

そして、助けに行った秋人は未来が犠牲になったら意味がないと叱ります。

未来が自分の運命を恨み死を選ぼうとしていた「悲しい日々」を「もういらない」と否定し、二人で生きていこうという秋人の想いが「互いを」から始まる歌詞が象徴しているようですね。

二人の本心が交わる時...!

生まれた愛は優しい羽の音
傷付けたくない でも離さない
捕まえてよ何度も
巡り合う定め 夢で時を渡れ

痛みに引き裂かれ 胸は君を呼ぶ
虚ろな日々はもういらない
痛みに引き裂かれ 生きる喜びを
きっときっと ふたり確かめる

出典: https://twitter.com/namazuo_fight/status/593662535926091776

「傷付けたくない でも離さない」という歌詞は、自分の妖夢としての強大な力と二人を待つ過酷な運命を知りながらも、未来を失いたくないとその運命に抗おうとする秋人の気持ち。

そして、「捕まえてよ何度も」という歌詞は、自分を犠牲にして秋人と世界を守ろうとしながらも本当は秋人のことが好きで、一緒にいたいと強く願う未来の想いを歌っているのでしょう。

「痛みに引き裂かれ 胸は君を呼ぶ」という歌詞は未来の「境界の彼方」との戦いの中でずっと秋人を想っていた気持ちでしょう。

「虚ろな日々」とは虚ろな影という妖夢を倒すためという嘘をついて秋人のそばにいた未来の日々を歌っており、そんな嘘は「もういらない」と、本心で二人が語り合った時「生きる喜びを きっときっと ふたり確かめる」と言っているのでしょう。