僕の気持ち
本気の度合い
本気で忘れるくらいなら
泣けるほど愛したりしない
誰かに 盗られるくらいなら
強く抱いて 君を壊したい
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆
一行目ですが少し違和感がある表現だと思いませんか?
忘れるという行為に、本気や不真面目に、といった忘れ方があるとは思えません。
でもそれがかえって、忘れることはとても大変であるということを際立たせているようにも思います。
これまでも色んな出会いと別れがあったのでしょう。
でも別れた後は、きれいさっぱり、簡単に忘れることができていたのです。
しかし君の場合はそうはいきませんでした。
本気で忘れる、つまり記憶から消し去るなんてことはできないのです。
泣けるほどとは、心が震える状態を表すための最上級の形容でしょう。
泣けるほど好き、泣けるほど嬉しい、泣けるほど感動した、のように使います。
心が震えてどうしようもなく涙が出てきてしまうくらい、君を愛していたのですね。
こんなに苦しい別れがやってくるのなら、もっと適当に好きでいればよかったと思っているのです。
身勝手すぎる男心
大切にしてきたものを、誰かに盗られてしまう悔しさは誰もがわかる感情だと思います。
ただ僕が大きな勘違いをしているのは、君は盗られるわけではないのです。
自ら離れていったのです。
推測ですが、理由は僕にあると思われます。
それなのにそのことには気がつかず、君が盗られてしまうとオタオタする僕。
挙句の果てには、盗られてしまうのだったら壊してしまうとまで言い出しました。
要するに、自分以外の誰にも君を触れさせたくないのです。
その身勝手さは呆れるというか哀れというか...。
こんな男だから、君は去っていってしまうのではないでしょうか。
時間を遡ることはできない
思い出に浸る
ほどいた髮を広げて
僕の夜 包んだ優しい人さ…
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆
一日が終わった後のふたりの寛ぎの時間。
結んでいた髪をほどき、僕に寄り添う君の長い髪を撫でるのが好きだったのでしょう。
その優しさ溢れるひとときは、何にも代えがたい時間だったに違いありません。
他の誰にも見せたことがない君のその姿は、もう僕だけのものではなくなってしまうのです。
砂上の楼閣だった
不安な波にさらわれる 砂の城 怖くて
誰かを求めたの?
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆
ふたりの時間は幸せだったけれど、決して安定していたわけではなさそうです。
僕は夢追い人だったのでしょうか。
口では大きなことを言っておきながら、なかなか実行が伴わない。
そんなタイプだったのかもしれません。
君も初めはそれでよかったのです。
どんなに夢を語っていても、そんな僕が好きでした。
でもいつまでも形にならず、すぐに壊れてしまう砂のお城のようだったら...。
そんな人物に、ふたりの将来のことを語られても、不安になるばかりだと思います。
君は僕のことが段々信じられなくなって、他の誰かに救いを求めたのかもしれませんね。
断たれた夢
強がりだけを 覚えさせたね
微笑みは もう 二人の夢を見ない
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆