『ホープランド』の動画を「YouTube」で探しましたが、ありませんでした。
その代わり「Bremen」に収録されている曲のダイジェスト動画がありました。
『ホープランド』は、動画中の7:05秒あたりから始まります。
いかがでしょうか?
ワルツのリズムが効いていて、リスナーを明るい気分にさせてくれる曲だと思います。
マーチングバンドのような活きの良さもありますね。
イントロや間奏に入るエレキギターのフレーズも、リスナーを夢見心地にさせてくれます。
使われているコードも、メジャーコードを中心としたコード。
マイナーコード(短調)はそれほど使われていません。
それも『ホープランド』を明るい曲にしている理由の一つでしょう。
楽曲から感じられる壮大さ、世界観の表現は見事と言わざるを得ません。
実際にこの曲をライブで聞くと、その世界観にのみ込まれ「まるで違う空間に来たようだ」と錯覚を覚えるほどだそうです。
『ホープランド』歌詞紹介&解説
Aメロ
誰かが歪(いびつ)であることを 誰もが許せない場所で
君は今どこにも行けないで 息を殺していたんでしょう
出典: ホープランド/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
『ホープランド』の歌詞は「僕」が「君」へ宛てたメッセージです。
人間の価値観はそれぞれ違います。
それが人間の個性であり、その人が生きている証拠。
そのなかで一般的な社会常識を身に付け、大人になっていく。
現代はネットワークやSNSの台頭により、他人を簡単に批判できる環境が整っています。
「君」も誰かに非難されたのでしょうか?
出る杭は打たれる。
他人は自分と全く違う価値観や容姿を簡単には理解しようとしません。
そういった感情が間違っていると分かってはいるのです。
でも今生きている私たちの社会環境がそういった風潮で人の人格を作り上げてしまうことだってあります。
自分は他人と違うことがしたいと思っても、社会によってそれが押し殺されてしまう…。
自分を素直に表現できないのはとても苦しいものです。
Aメロ(2回目)
どんなに当たり前のことも 君を苦しめてしまうから
ひたすら素直に生きていた それだけのことだったのに
出典: ホープランド/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
自分にとっては「当たり前」のことでも、他人にとってそうではない。
実生活でもよくあることだと思います。
素直に、まっすぐに生きてきた「君」。
そんな「君」にも批判の矢は向けられます。
主人公である「僕」は「君」を擁護します。
自分自身というのは、人間が存在している限り千差万別です。
「自意識」というのはそれこそ、地球の総人口と同じ数あります。
皆が皆、自意識を振りかざして生きていれば、世界は崩壊してしまうでしょう。
自意識を一般化し対応して生きていくのが、理性ある人間としての証明ですね。
この歌詞部分は「君」の視点から書かれています。
生まれた時から人間社会のルールは決まっています。
それが自分にとっては生きづらいと思えるようなルールであっても、それに従って生きていかなくてはなりません。
もちろん必要なルールや法律もたくさんあります。
しかし全員が納得できるような理想的な社会とはまだまだほど遠いものです。
「君」はそれを受け入れて前へ進んでいこうと割り切ったと思える表現がされています。
Bメロ
いわれのない噂や 穢れきったあの言葉に
惑わされないでおくれ それが世界の全てじゃない
出典: ホープランド/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
「いわれのない噂」や罵詈雑言を浴びせられた「君」。
「君」を擁護し続ける主人公は「それが世界の全てじゃない」といいます。
確かにその通りですね。
「他人」を妬んだり嫉んだりしても、その人にとってまったくプラスになりません。
いや、むしろマイナス方向に進んでしまうことは明らかです。
例えば勉強ができる友達を妬んでも、勉強ができるようにはなりません。
綺麗な人を嫉んでも綺麗になるわけではありません。
ひたすらマイナスの感情が心を侵し、「マイナスオーラ」をまとった人間になってしまいます。
それでは何事もうまくいかないですね。
「君」がいるのは「汚れた世界」。
「嫉妬」や「妬み」が横溢する世界です。
しかし、この歌詞にあるように、そんな世界が世界の全てではありません。
「より良い世界観を持った人間が存在する世界」だってあるのです。
その世界へ行くには「君」がなにかアクションを起こさなければいけないのは自明の理。
「君」自身、そのことに気付いてはいるのでしょう。
気付きながらも自身がない「君」。
その「君」を「僕」は後押しし続けます。
君のその感情は正しい、君の周りの世界が間違っていることだってある…。
穢れた言葉が人を陥れたり、攻撃してしまう半面、希望にあふれた言葉は人に勇気を与えます。
自分だけでは行動できなかったような事でも、誰かから希望の言葉をかけられたことで大きく前へ進む決心がつくこともあります。
「僕」はそんなきっかけを作り出せるように主人公を応援し続けます。
サビ
ソングフォーユー 聴こえている?
いつでもここにおいでよね
そんな歌 届いたら
あとは君次第
出典: ホープランド/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師