「FRIENDS」って誰のこと?

この楽曲岡崎体育の「FRIEND」(登場するのは1人なので敢えて単数形で書きましょう)だと歌われている存在。

それが、PVにも登場するパペットです!

これは、その色や姿から推測するとペンギンでしょうか?

鮮やかな水色のボディとぷっくらした黄色の口がとてもチャーミングですね。

この先歌詞を見ていけばわかりますが、大半がセリフ調で綴られています。

片方は岡崎体育の言葉、そしてもう片方はFRIENDのパペットのセリフなのです。

仲が良いようで?!

「僕たちは二人で一つ」
「そして一人で二つ」
「おいおい、それは言わないお約束!」
「はは、いけねっ!言わないお約束」
この曲が終わってしまえば ただの布切れだけど
僕らFRIENDS 大切なFRIENDS 友達

出典: FRIENDS/作詞:岡崎体育 作曲:岡崎体育

さて、早速歌詞を見ていきましょう。

台詞が4つ登場しますが、奇数行がパペット、偶数行が岡崎体育の発した言葉です。

1文目、パペットが嬉しそうに歌っています。

どちらが欠けてもいけない、まさに大親友のような関係性が感じられますね。

しかし本当に面白いのはここではありません。

2文目に注目してみてください。

岡崎体育は開始早々、このメルヘンな関係性に現実を叩きつけるのです。

確かにFRIENDのパペットは、岡崎体育が動かしています。

だから彼がいなければ動きませんし、結局どちらも「岡崎体育本人」でしかないのです。

しかし、そんな現実は悲しすぎる!

パペットは悲しみを振り払うかのように、岡崎体育に軽快なツッコミを入れていきます。

友達だと声高らかに歌っているけれど、パペットの行動は全て岡崎体育に握られている。

FRIENDSのようで危うい関係性の2人から、もはや目が離せませんね…。

さて、そんなハラハラの歌詞展開をよそに、曲はポップな雰囲気のまま進行していきます。

思い出よりも大切なもの

「どうやって友達になったんだっけ?」
「最初の会話はなんだっけ?」
「どっちから話しかけたんだっけ?」
「偶然同じクラスだったり」
「バイト先が一緒だったり」
「思い出せないけど きっと思い出す必要なんてない」

出典: FRIENDS/作詞:岡崎体育 作曲:岡崎体育

こちらも、奇数行がパペット、偶数行が岡崎体育の台詞です。

PVでは、こんな会話をしながら楽しそうに遊ぶ2人の様子が映し出されています。

きっと誰もが1人は持っている大切な友達を思い浮かべながら聴くと、しっくりくるでしょう。

仲が深まれば深まるほど、その出会いの思い出は薄れていきます。

しかしそれは決して、悲しいことなんかではありません。

出会いという衝撃的な思い出さえも上書きされるほどにたくさんの思い出を2人で作ってきた。

…ということに他ならないから。

だから引用最後にある通り、出会いの思い出をさかのぼることに意味はないと断言できるのでしょう。

岡崎体育とFRIEND

友達ってどんな存在?

「助け合える友達が君にはいるかい?」
「きっと何より大切なこと 当たり前で難しいこと」

出典: FRIENDS/作詞:岡崎体育 作曲:岡崎体育

ここでパペットが問いかけた質問。

まるで、この楽曲を聴いている人たちに疑問を投げかけるかのような歌詞ですね。

必要なのは、ただ形だけの付き合いがある友達ではありません。

正真正銘、揺るがない絆で結ばれている友達なのです。

言い換えてみれば、信頼関係

何があっても助けてくれる、そして何があっても助けたいと思う、そんな友達でしょう。

さて、ここまで仲睦まじい様子を見せている、パペットと岡崎体育の友情はどうなのでしょうか。

歌詞に隠された本当の意味とは?

本来であれば、心から信頼できる友はいるかい?という問いかけにも聞こえるこの歌詞。

しかし今回の楽曲の背景を考えると、パペット=岡崎体育でしかありません。

つまり自分が辛い時、困った時、助けてくれるのはやはり自分でしかないのです。

結局信頼できるのは自分だけ」なんて、言葉にするととても残酷…。

しかし上っ面だけの理想より、こうした厳しさこそまさに現実です。

一見するとネタっぽい楽曲に思える『FRIENDS』。

しかしその歌詞には、生きる上で大切なメッセージが詰め込まれていたのです。とても深いですね。

岡崎体育の悩み