こちらは歌い出し冒頭部分の歌詞になります。
Creepy Nutsが今の音楽シーンにおいて替えが利かない存在なのは言わずもがなですね。
しかし引用の後半部分にあるように、卑屈な自分との葛藤が続いていることが示唆されています。
これまでの楽曲はそういった陰鬱な部分こそが彼らの特徴であり、したたかさでもあったでしょう。
蛇の道は蛇、といったところでしょうか。
しかし今回はそんな自分自身との決別がテーマになっていることがこの一節から読み取れます。
今の自分から昔の自分へ
勝つ事も、負ける事も
そして喜ぶ事も まして泣く事も
出来ずどっか他人事
早く気づけよソコもガチンコと
出典: スポットライト/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
続く歌詞を見ていくとこのような一節がありますね。
音楽に限らず他の芸術や仕事にも以上えることですが、評価されるということにリスクは付き物。
自分の身を守ろうとすると斜に構えてしまう...という方もいらっしゃるかと思います。
きっとR-指定さんやDJ松永さんにも同じ経験があるのではないでしょうか。
しかし、それではいつまで経っても自分を誇れない。
この歌詞からは失敗を恐れているうちは何も得られないというメッセージだと解釈出来ますね。
前述の歌詞も含め、そのメッセージは私達だけではなく自身にも向けられていると捉えられます。
プライドを捨てること
はたから見れば小さなステージか?
取るに足らないありふれたページか?
そこは裏面?日陰?知ったこっちゃ無いぜ
もうとっくに幕は上がってんぜ
出典: スポットライト/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
NO.1player
王者の気概
続いてはサビの部分を見ていきましょう。
ちなみにですが、HIPHOPの業界ではサビのことをHook(フック)と表現する場合があります。
もしこのような表現を見かけたら、そのフレーズが曲のサビであることが多いですよ!
クソな雑音ヘイト周りの目
全てシャットダウン己で舵取れ
I get the job done 全部任しとけ
俺のゲーム 俺だけのステージ
1分1秒の先まで
立ち止まっちゃ ソコには何もねぇ
ならばどう転ぼうが確かめに行こうや
I’m a No,1 player 元ベンチウォーマー
出典: スポットライト/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
全体を通してR-指定さんの強い覚悟が伝わってきますね。
特に1行目から2行目にかけて。
斜に構えて逃げるのではなくそれを突っぱねるかのような強い姿勢です。
自身を「NO.1player」と称し、周囲のヘイトスピーチと戦う覚悟。
まさにチャンピオンと呼ぶに相応しい凛々しさを感じさせられます!
例えそこが針の筵だとしても
追う背中と追われる背中
しかし、続く歌詞を見ると評価され続けることも楽ではないようです。
次の小節からは、R-指定さんの内に抱える不安や葛藤がより表現されています。
この選択は果たして吉か凶か
掴むか逃すかも俺次第
この静寂は…もしや永遠か?
脂汗が滲むひたい
あの日羨んでた後ろ姿
奴はこんなモンと闘ってたのか…
出典: スポットライト/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
1行目から2行目にかけての歌詞に注目です。
この選択とは一体どのような意味を含んでいるのでしょうか。
ラッパーになったこと、メジャーデビューしたこと。
様々な理由が予想出来ますね。
日の目を見ることが無ければ、喝采を浴びることも出来ません。
現在に至るまでの辛い道のりが「静寂」という表現に繋がっているように考えられます。
後半部分の歌詞は過去に自分が羨んでいた存在と現在の自分自身を対比していますね。
その世界に飛び込んで、自分と向き合うことで初めて実感する厳しさ、恐怖が綴られています。