東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

小さな頃描いた将来大人は
列国の制度のめぼしき面
選んでは取り入れ最終形態を拵えた
気付いたら違っていたバトンタッチが済んで
自分らは扶養側へ責任を負う立場になった

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

小さな頃、椎名林檎の子供の頃だとすれば80年代でしょうか。

それとも戦後の高度経済成長期を指しているのかもしれません。

日本はアメリカを筆頭に諸外国の良い制度を取り入れながら世界でも指折りの大国に成長しました。

しかし今、大人になった現在、日本が間違ってきたことに気づきます。

【緑酒】は現代の日本社会に対して抗う姿勢を示す楽曲なのです。

世の中を変えたいなら声を上げろ

東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

乾杯日本の衆信じていたい遍く
全員善人でしょう疑念なぞ抱いても肝を突いちゃならん
大きな不安孕んだ正体憚る
膨満感に噦いてどこから嚥下できようか未だ皆目消化不良だ

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

できれば世の中悪人なんていないと信じていたい。

疑いがあっても目をつむり飲み込まないといけないのが社会というものだったりするものです。

しかし飲み込むにも限度があります。

現代社会は疑いや不安が多すぎてもう嚥下できないレベルに達してしまっている、と歌われます。

気付いたら許していたお年召した御仁と
幼気な御子さん方は恥ずかしそうに黙ってんだ
ぺてんのない世の中を直ぐに作んなくちゃ
そう願わくばいっそ老いも若いも多弁であれ

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

そんな間違いに溢れた世の中はもちろん変えなければなりません。

しかしお年寄りはそんな世の中に慣れてしまったのか黙ったまま。

そして若者は自己主張、特に政治的主張を恥ずかしがる傾向がある。

そんなお年寄りと若者に世の中を変えたいなら声を上げろ!と激励しているのです。

自由

自由へ向けた想い

東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

自由よいいように搾取されないで安く売らないで
終始貴様は誇り高くあって頼むよ
自由フェイクじゃない元来の意味を見せて
騙るまじ腐るまじ追い続けていたい貴様をずっと

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

【緑酒】の歌詞の大きなテーマの一つが「自由」です。

ここでは「貴様」呼ばわりで「自由」に対しての想いが歌われます。

現社会では「自由」という言葉が安売りされ、本来の意味を成していない。

お願いだから誰もが憧れる誇り高いものであってほしい、という想いが伝わります。

「金=自由」の時代

果たしても選ばれざる服従層と
知らん間に選ばれし支配層を結ぶ争点
自由という名の富
買い叩いて奪い合う尊厳

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

服従層は国民を、支配層は政治家を指していると考えられます。

国民と政府の争いの種は結局のところ「金」

自由や個人の尊厳も「金」で売買されてしまう時代。

行き過ぎた資本主義の成れの果てである今の日本に対しての皮肉でしょうか。

いつか緑酒が飲めるように

新型社会へ