生きる力がみなぎるガンダム主題歌!
かつてART-SCHOOLやSyrup16gと並び3大鬱バンドと呼ばれていたこともあるTHE BACK HORN。
確かにネガティブを感じさせる楽曲は少なくありませんが、それはもう10年以上も昔のこと。
それ以上に、マイナスの感情を乗り越える力強い楽曲も多いです。
死ぬほど辛い嫌なことばかりだ。それでも生きていくしかないよな?
デビュー当時から現在に至るまで、一貫して楽曲のテーマはこのようなものになっています。
2010年に発売された19thシングル『閉ざされた世界』もそのひとつ。
この作品は『劇場版 機動戦士ガンダム00』の主題歌に抜擢されました。
ガンダムの主題歌を担当するのは『罠』以来、二度目です。
今回は水島精二監督と作品の世界観を共有して製作された『閉ざされた世界』について詳しく解説します!
カッコよすぎるPV
ローテンポから入る序盤と、疾走感が溢れるサビ部分の対比がとてもカッコ良いですね。
岡峰光舟によるうねるようなベースラインが印象的です。
そして魂のこもった山田将司のパワフルなボーカルが突き刺さってくるようです。
メンバーのパートに注目
PVは楽曲のハードなサウンドにマッチしたシンプルな構成になっています。
注目したいのは、小さなモニターに映るメンバーの姿です。
パート交換をしているレアな様子が見られます!
ちなみに、最後に登場する「2314」とはガンダム00の時代である西暦2314年を示しているそうですよ。
ガンダムの世界とは?
ガンダム00をご存知ない方へ、簡単にあらすじを紹介します。
24世紀初頭、突如として姿を現した私設武装組織「ソレスタルビーイング」。彼らはガンダムによる戦争根絶を掲げ武力介入を開始、一時は組織壊滅の危機を迎えながらも、争いの絶えなかった世界を急変させた。
地球連邦政府の成立。その後の独立治安維持部隊アロウズの専横による戦争状態を経て、武力に頼らない社会を選択するに至った人類だったが、西暦2314年、再び危機が訪れる。
出典: http://www.gundam00.net/movie/
ガンダムというと戦闘ロボットアニメというイメージがあるのではないでしょうか。
他のシリーズの多くも戦争がテーマになっている作品です。
しかしガンダム00は戦争根絶するという、現実世界にも通じるようなコンセプトが掲げられています。
また他の作品は「架空の紀元」といった世界観になっているものが多いです。
ガンダム00は私たちと同じ「西暦」がベースとなっています。
ガンダムの世界を通して、人類の未来について問いかけるような壮大なストーリーとなっています。
深すぎる歌詞紹介
赤く濡れた指先でサイは振られ
宇宙(ソラ)へ落ちてゆく 深く深く
二度と帰れない闇の彼方へ
加速してゆく ラストシーンは
誰にも止められない
出典: 閉ざされた世界/作詞:菅波栄純 作曲:THE BACK HORN
とても大事な決断を迫られているのに、身体は血まみれで満身創痍。
そんな情景が浮かんでくるようですね。
ガンダム00の世界もまさに、化石燃料が枯れ果て満身創痍な状態の地球が舞台です。
そんな中で自体を打開するため、新しいエネルギーを求めて宇宙開発を進めています。
豊かになるための開発なのに、いつの間にやら資源争奪戦の様相を呈する……。
エネルギーが無ければ死んでしまいますから、戦いたくなくてもやるしかないのです。
実際に起きた戦争だって、その多くは国が生き残るための糧の奪い合いから始まりました。
「誰にも止められない」とは、そんな閉塞感からくる状況を表しているのではないでしょうか。
運命を切り拓け
傷ついた翼広げ翔び立つよ
真実(こたえ)はここには無いから
誰がために鐘は鳴る?
絶望に満ちた閉ざされた世界
羽撃き続ける微かな光へと
出典: 閉ざされた世界/作詞:菅波栄純 作曲:THE BACK HORN
「誰がために鐘は鳴る」といえば、ヘミングウェイの小説が有名ですね。
これはイングランドの詩人、ジョン・ダンの『瞑想録』から取ったタイトルです。