理想は強い女

「二人きりがいい」だなんて
不味くて吐いちゃいそうだよ
消えてほしかったけど
邪魔するなら我慢出来ないかも

出典: 妄想ハッピーエンド/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27

彼を繋ぎ止めるための策は、可愛らしくしおらしく気持ちを伝えるか、欲望をさらけ出すか、二つに一つです。

彼に媚びるかのような可愛いセリフを、欲望丸出しの彼女は「吐きそう」と真っ向から否定。

そうした「女の子らしい自分」は勝手に消えてくれるのでは?とどこかで期待していたのでしょう。

しかし欲望に忠実になろうとすると必ず可愛らしい自分が邪魔をします。

恋の終わりを感じている今、可愛らしい自分でいたくはないようですね。

どうやって別れようか考え中

妄想ハッピーエンドと
居候ロンリー愛はちゃんと置いといて
簡単に灰になって
ゼロになっちゃうじゃんか

出典: 妄想ハッピーエンド/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27

このまま彼とうまくやっていく妄想が「妄想ハッピーエンド」なのでしょうか。

今の時点でははっきりしません。

一人きりになってしまう想像は「居候」つまり仮置きの状態であり、認めたくはないようです。

彼への愛は居候の場には持っていかず、妄想の場に置いて欲しいと言います。

iが愛に振り回されているとしても、愛を断ち切ってしまえば二人の関係は一瞬にしてゼロになってしまうからです。

どうせ変わっていくんなら
いっそ終わってみたいな なんてどうかしら
散々迷ってやっと 人になったんだ
ダメになったんだ

バイバイはまだ準備中です

出典: 妄想ハッピーエンド/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27

彼を繋ぎ止めたい欲望を丸出しにしたまま恋が終わってしまうと、自分ばかりが好きだったように思えて無様です。

どうせ終わりを迎えるのなら、恋をした当初の対等な関係、もしくは優位な立場で終わらせたいのでしょう。

別れを切り出される前に「一度離れてみようか」と自ら提案してみることを思いつきます。

彼女の苦しみは今に始まったことではなく、しばらく悩み続けて今に至っているようですね。

欲望もあり、可愛くありたい自分もいますし、別れたくないし、別れるのなら対等に、もしくは優位な立場で終わりたい。

様々な感情が湧き出して、どれを選択するのが正しいのか判断できないままでした。

そこで彼女は、気づいたのです。

「ズルくてもいいんじゃない?」

ズルいことを一度も考えた経験がない、という人は恐らくいません。

狡猾さ、ダメさがあるからこそ「人間らしい」といえるのではないでしょうか。

彼女は多くの感情をズルく使える「人」になりました。

今はズルさをどう使っていこうか、どうやって終わらせようか考え中です。

ネガってバランスを保つ

わざと自虐的な態度をとったり否定的になることを「ネガる」と表現します。

ネガっておくと、ネガった通りの悪い結末を迎えた際、ショックが最小限に抑えられるようです。

ネガるのは「保険」

逆さまになった 愛とi―の位置関係
どうしちゃったの こんなの望んじゃいないわ
わだかまりばっか なんかちょっといい感じ
ネガってないとさ 形を保てない

出典: 妄想ハッピーエンド/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27

好きという感情に振り回されていた彼女ですが、遂に愛がiを一方的に引っ張るようになりました。

これ以上好きになってしまうことを彼女は望んでいません。なぜなら、離れがたくなってしまうからです。

思うように事が進まない状況を「ちょっといい感じ」と楽しんでいるセリフですが、これはフェイク。

苦しんでいる自分を認めてしまったら、どんなにあがいても優位に立てない情けなさで潰れてしまうのでしょう。

わざと自虐的な態度をとります。

平等は望まない

変わりたくはないの
これ以上踏み込まないで
泪も分けっこして?素敵ですね
なんか笑えてきちゃったんだけど

出典: 妄想ハッピーエンド/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27

終わりが見えている状況でいたずらに近づかれてしまうと、彼女の感情はさらに混乱を極めます。

今は湧き出した気持ちを整理して、「バイバイ」を準備しているのです。

だから「踏み込まないで」と言っているのでしょう。

男女の別れの形は様々です。喧嘩別れもあれば自然消滅もありますし、協議による別れもあります。

平和的解決を望み、「悲しいけど悲しさも半分こして終われるね」という甘い終わりを迎えることも可能です。

しかし彼女はそれを馬鹿らしく、くだらないと思っています。