最後の季節が来てしまっても
何も変わらないままでいるよ
いちばん綺麗な星が見えたら
きっと会えるような気がした
そんな事を思った
出典: オリオン/作詞:横山優也 作曲:横山優也
ここでも歌われている「最後の」というフレーズ。
なぜ最後になってしまうのか?
謎が深まります。
しかし、この歌詞から読み取れることもありますね。
それは主人公が「最後の季節」を迎えても、「何も変わらないまま」だったということです。
主人公はきっと、何か大きな終わりを迎えたのでしょう。
でも終わりを知ったところで、自分は自分のまま。
月日の流れに置いていかれているような気持ちになりながら、主人公はひとり夜空を見上げました。
そこで「綺麗な星」を見て、主人公は誰かに「会えるような気がした」と歌っています。
「会えるような気がした」とは、つまり「会いたい」ということです。
ここで思い浮かぶのが、MVに登場したあの女性。
主人公が迎えた終わりとは、恋人との別れだったのではないでしょうか?
1年を振り返る
2番でもまた過去を回想する様子が歌われています。
この曲はきっと、1年の終わりに今年を振り返っている曲なのでしょう。
大きな終わりを迎えた主人公には、振り返るべきことがたくさんあるようです。
恋人と過ごした最後の夏
未来は限りあるものだと分かったのは最後の夏でした
1人では生きていけないことはずっと分かっていた
出典: オリオン/作詞:横山優也 作曲:横山優也
自分の命には終わりがある。
主人公がそんな当たり前のことに改めて気付いたのは、きっと恋人との別れがきっかけでしょう。
永遠だと信じていた愛も、とうとう終わりを迎えてしまった。
主人公が恋人と別れたのは夏のこと。
つまりそれは、主人公と恋人にとって「最後の夏」だったということです。
夏という季節自体は、また来年も訪れます。
しかしこれから何度夏が来ても、そこに恋人の姿はない。
恋人と愛しあっていられる未来もまた有限のものでした。
恋人と別れてひとりになった主人公。
信じていた永遠は終わり、厳しい現実だけが残った。
ひとりでは生きていけない。
それを分かっていても、ひとりになってしまうことはありますね。
いつまでも覚えていたい
同じ空の下にいたこと
いつかは忘れてしまうのだろう
いちばん綺麗な星が見えたら
いつか会えるような気がした
そんな事を思った
出典: オリオン/作詞:横山優也 作曲:横山優也
今はまだ、恋人のことが忘れられないでいる。
でもいつかは、恋人と愛しあっていた日々さえも、思い出せなくなってしまうのでしょう。
主人公は恋人の存在にいつまでも囚われ続けることより、恋人のことを忘れてしまうことの方が怖いようです。
幸せだった日々のことも、別れた胸の痛みも、すべて覚えていたい。
主人公がどれほど恋人のことを愛していたかが分かります。
恋人のことを忘れたくない。
だから主人公は、今夜もまた星を見上げて、恋人に想いを馳せます。
もしかしたら恋人も自分と同じように、こうして星を眺めているかもしれない。
そんな想いがあるから、会えるような気がしているのでしょう。
最後の季節とは?
ずっと恋人への未練を断ち切れないでいた主人公。
しかし曲の最後になって、ようやく別れを受け入れ始めたようです。
そのときの主人公の心情を考察すると「最後の季節」に込められた本当の意味が伝わってきました。
1年の終わりに想うこと
最後の季節が来てしまっても
何も変われないままでいるよ
いちばん綺麗な星が見えても
もう会えないような気がしていた
そんな事を思ってしまった
出典: オリオン/作詞:横山優也 作曲:横山優也
恋人と別れ、最後の夏、最後の秋、そして最後の冬が訪れました。
これまでずっとサビで歌われてきた「最後の季節」というのは、恋人と別れた年の冬のことでしょう。
恋人と愛しあっていられた年が、もう少しで終わってしまう。
新しい1年が始まっても、きっと自分は変われないまま。
そう歌いながらも主人公は、「もう会えないような~」と歌います。
それまで会えるような気がしていたのは、まだ恋人との別れを受け止めきれていなかったから。
しかし主人公は、1年の終わりになってようやく「もう会うことはできない」と気付きました。
それは無理やり自分を納得させただけかもしれません。
だからこそ「思ってしまった」という言い方をしているのでしょう。
それでも主人公は恋人との別れを受け入れ、「最後の季節」を乗り越えていかなけばなりません。
この「最後の」には、恋人に想いを馳せるのは今年で最後にするという決意も込められているのかも。
だとすればこの曲は、別れを嘆く曲であると同時に、新たなスタートを歌った曲でもあります。
恋人との思い出をすべて捨てることはできなくても、少しずつ前に進んでいけたら良いですね。