ゴールに辿り着けば輝かしい未来が待っていると信じ込んで、頂点に向かって一直線。
その様は「翔ぶ」そのものなのでしょうね。
常人離れしたジャンプ力を持つ日向とも繋げているのかもしれません。
こうして辿り着いたゴールは、達成感に満ちています。
多分、大体の人は「ゴールの先は地獄かも」なんて思わないでしょう。
なんとなくでもそう思っていたら、人はその先を目指そうとはしません。
良いことがあると思っているから、目指すことができます。
どんなに道中辛くても、この達成感がある。
最後の行の「掴んだ刹那」とは、その達成感のことのようにも感じられます。
それを知ってしまえば、また1から始めても「もう一回あれを味わいたい!」と思ってまた頑張れるのです。
人はそうやって前に進んでいくということがよく分かる歌詞ですね。
立ちはだかる試練
無論、ゴールを目指す道のりが平坦であるはずはありません。
色々な試練が壁となって立ちはだかります。
山道だって、危ない崖や道を阻む崖があるでしょう。
それを前にして人はどんな気持ちになり、どんな行動をとるのでしょうか?
ここまで来て気が付いた事
駆け足の百歩に 重ねる想いが
尽きないように 崩れないように
自分を知ると 飛べなくなって
あふれる気持ちも腹にくくるんだ
出典: クライマー/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
目標に向かって走るには、そのゴールに向かって進もうという意志が必要不可欠。
気持ちが積み重なることで、頑張るエネルギーになります。
周りの期待も入っているかも知れません。
それがなくなったら、進めなくなってしまうから。
だから崩れないように消えないように、道中で何度も願って確認するのでしょう。
しかし、そうしていく内に自分にのしかかってくるものを感じます。
自分の実力不足だとか、プレッシャーなどでしょうか。
それを感じた途端、ゴールに向かって簡単には飛べなくなってしまったようです。
たとえ頂点に立てたとしても、その後周りからもっと期待されるようになるかもしれません。
頂点に立つのもゴールするのも、相応の責任があります。
進んでいる今の段階だって、期待や突破しなければならないライバルのことがあるでしょう。
目標を達成することは喜ばしいことですが、同時に覚悟しておかなければならないこともある。
はやる気持ちを感じつつ、その代わりにある覚悟を決めるのですね。
道は険しい
細めた目で睨んだ 眩しすぎる日差しと
厳しさ増してく 僕らのための景色
出典: クライマー/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
今自分たちが歩んでいる道は、眩しくてうまく見定められないようです。
先が見えないということでしょうが、「眩しすぎる」から先が見えないという表現は珍しく感じます。
大抵先が見えないというと、真っ暗で見えないか霧がかかっていて見えないという言い方ですから。
それほどまでに、先にあるゴールは栄光に輝いているのでしょうね。
眩しくなっていくにつれて、道もどんどん険しくなっていきます。
近づけば近づくほど、試練も過酷なものになっていくのでしょう。
今がダメでもチャンスは来る
これからだって僕の肺は
空までついたって呼吸できるよ
朝焼けにむけ“もっかい!”って感じ
目指すその頂点
立ち止まっても足踏みして
まっすぐ飛ぶチャンスをまつよ
求めた指の先突き立てて
引っ掻いたその刹那
クライマー 今すぐこの僕らに
出典: クライマー/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
たとえ厳しい状態であっても、絶対に上り詰めてやろうという意志が伺えます。
もしかしたら、今はまだ頂点に立てないかもしれません。
しかしチャンスはいつか必ず来ます。
だから前に進めなくても翔べなくても、足踏みして準備を整えるのです。
止まっていたら、体が冷えてうまく動けません。
体を温めておけば、いざチャンスがやってきた時に即座に飛び込める。
目標を達成する人は、そうやって成功しているのでしょう。
目が覚める前に
刹那をくれ
刹那をくれ
刹那をくれ
目が覚めて
しまう前に
目が覚める
ような
刹那を
くれよ
出典: クライマー/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
今まで何度も出てきた「刹那」ですが、最後にこの言葉が前面に出ます。
ひたすら夢中になっていたものも、行き詰まると「何やっていたんだろう…」となんだか冷めてしまうものです。
それはそれで、なんだかむなしい感じが。
それなら、冷めてしまう前に大きな喜びを感じた方がお得でしょう。
逆にそれこそ「自分ってこんなことやっていたの!?」と思ってしまうような。
それを求めるなら、頂点に辿り着くほかありません。