「SHIVER」は勢いのあるロックサウンドです。
他ではシンセサイザーで音を加えたり、加工した音が加えられています。
しかしこの楽曲ではギター・ベース・ドラム以外の楽器は使用されていません。
「え?それってバンドなら当たり前じゃない?」と思うでしょう。
この2010年頃のthe GazettEは電子音やピアノ、バイオリンなどの音色も入っている曲が多くありました。
特に「SHIVER」が入ったアルバム「TOXIC」ではバンドサウンドのみの楽曲は数曲だけです。
A面ソングでは久しぶりのバンドサウンドオンリーだったというわけです。
黒執事Ⅱとは全く関係の無い「SHIVER」歌詞
始めに「SHIVER」は黒執事Ⅱとのタイアップ曲だというのは紹介しました。
なので歌詞も黒執事Ⅱの内容や世界観に沿った楽曲なのかと思えます。
しかしタイアップ曲でありながら、歌詞は一切黒執事Ⅱの内容を考慮して作られたものではないそうです。
作詞者であるボーカルのルキさんの口からそのような発言がありました。
黒執事Ⅱの製作サイドからもアニメの内容に合わせなくてもいいと言う話があったそうです。
しかしそれでいても黒執事Ⅱに合っている表情も見えてきます。
the GazettEの世界観と黒執事Ⅱの世界観に共通するものが元々あったのかもしれませんね。
そんな気になる歌詞の内容を掘り下げていきましょう!
前半の歌詞
たとえ…終わる事のない悲しみが貴方奪っても
離れてゆく心などここには無いと言って
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE
どんな状況になっても自分から離れないで欲しい気持ちが見えてきます。
心の底からお願いするようなそんな気持ちなのではないでしょうか。
その裏には「離れてゆく心」が見えてしまったのかもしれませんね。
駆け寄った背中に問いかける明日がどんな形でも
揺るがなかったのはもう信じる事を忘れたくなかったから
目を逸らす癖も曖昧な回答も笑えぬ嘘も
隣に居なければ意味さえ滲んでゆく
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE
相手が自分から離れようとしている事を悟った時、それが嘘であってほしいと願うものです。
今までは「嫌だな」と思っていた相手のしぐさだったり言動すらも求めてしまう。
そんな気持ちがこの歌詞から感じることができます。
なんとも切ない歌詞ですね。
近くに居たからそんな嫌な事ですらも意味があったわけです。
離れてしまったらただの寂しい記憶になってしまう。
そんな相手にすがる様な気持ちが見えて来ますね。
中盤の歌詞
遠過ぎたこの距離を埋める言葉が見つからない
過ぎ去る季節の中で追いつけなくなる事も知ってたよ
思い出すよりも忘れられない日々と言えたから
もうこれ以上がなくても受け止めれる
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE
自分よりどんどん先へ進む相手を今までは頑張って追いかけていたのかもしれません。
その開いてしまった距離が2人の間に大きな溝を作ってしまったのでしょう。
自分にとって幸せな日々であったから「別れ」を受け止められる覚悟が見えています。
諦めてしまったというのでしょうか。
なんだか悲しい気持ちになる歌詞ですね。
前を向こうとしている中に悲しげな表情が見えてくる気がします。
どうか戻る事のない時に涙を流さないで
忘れてゆく心など此処には無いと言ってくれるなら
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE
今までは恋人同士の別れの歌なのかなと感じていました。
しかしこの辺りまで来て、もしかするとこれはどちらかが「亡くなった」歌なのか?
そんな感覚に襲われます。
「死んでしまってもあなたの事は忘れないよ」
と歌っている歌詞にも思えてきました。
「亡くなった相手が遺された相手に語りかけている。」そんな光景です。
はたしてどちらの意味があるのかはわかりませんが悲しい事には違いはありませんね。
後半の歌詞
失いで知った二人の明日にあなたが泣いてる
やっと見れた素顔にはもう触れられない
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE
この部分ではメロディーもサビやAメロと違う雰囲気になっています。
大切な人を失った悲しみにくれている光景が目に浮かびました。
この部分の歌詞は亡くなった方の視点だとします。
自分を失って泣いている相手。
なぐさめたくても触れられないその悲しげなシーンが想像できました。
何とも心に刺さる歌詞ですね。
たとえ…終わる事のない悲しみがあなた奪っても
忘れないで「さよなら」が嘘と思えた日々を
一人きりで見た空もすれ違う中で見た夢も
あの日のまま何も変わらず
貴方の中で今もずっと…
出典: SHIVER /作詞:流鬼. 作曲:the GazettE