想像してたよ
I am freaking out.
こんな俺をhit me.
いつまでこんな
Don't you like it.
恋の名残のせい
出典: ストラトキャスター・シーサイド/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Suspended 4th
冒頭の歌詞によって様々なイメージが膨らむことは、どうやら織り込み済みだったようです。
さらに歌物語の主人公としても、女性と会うことをあれこれ考えていたことが伝わってきます。
そして男性が深夜に会ったのはやはり女性だったということも、最後の1行から明らかになるわけです。
ただし男性自身は困惑しています。
こうして女性と会うことにはよっぽどいけない理由がありそうです。
知り合って間もない間柄なら、いきなり深夜に呼び出されること自体、あまり考えられません。
夜に会うことそのものが、どこか闇に乗じて姿を隠したい雰囲気を醸し出しています。
最後の1行を深読みしてイメージを膨らませると、2人はかつてつき合っていた元恋人同士なのかもしれません。
しかし何らかの理由で既に別れていて女性にはもう別の相手が存在する。
それなのに元カレを忘れられずに呼び出した。そんな展開が考えられます。
男性にはまだ女性を愛おしく想う気持ちが残っていて、誘いに応じてしまったのではないでしょうか。
そのうえで後悔している雰囲気です。
サビの歌詞を見よう!
五里霧中という世界観
ストラトキャスター・シーサイド
なう まさに夢の中で
出典: ストラトキャスター・シーサイド/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Suspended 4th
これまでの歌詞で伝わってきたのは深夜のただならぬ緊迫感と男性の苦悩。
こうした雰囲気や感情は色濃く漂うのに、具体的な出来事については何もはっきりしないままでした。
文字通り五里霧中です。
この状態こそ、ワシヤマさんが意図的に描いた世界観と考えられます。
実際的なことがほとんど排除された場所に連れ出され、エモーショナルな神経だけが刺激されているということ。
しかも「今、ちょうど」です。
それは言葉のない音楽、ギターの音色と似ているかもしれません。
この流れでタイトルにつながります。
なぜギター?
フェンダーのストラトキャスター派か、ギブソンのレスポール派か。
使用ギターの機種については常にギタリストの議論の的になりますね。
この曲の主人公はストラト派。
ワシヤマさん自身とも重なります。
ただ、実話と創作の歌物語は別物。
この曲では、海辺に呼び出された男性が女性と会い、衝撃のあまり荒々しくギターが鳴り響いたようです。
実際に男性がストラトキャスターをかき鳴らしたわけではありません。
頭の中でギターの音色が響くように感じるほど、ドラマチックな出来事だったという描写です。
現在を生きる理由
ストラトキャスター・シーサイド
なう 故に今を生きる
出典: ストラトキャスター・シーサイド/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Suspended 4th
深夜に海辺で、男性が女性と会い、脳内でギターの音色が鳴り響いたことはわかりました。
しかも「今、ちょうど」。
ただ具体的に起きたことは不明です。
五里霧中の今、現在を生きる理由は、それこそがこの曲の聴き方だからではないでしょうか。
言葉によって紡がれる具体的な物語よりも、ギターの音色によって感覚を研ぎ澄ますことが大切。
それこそが今、サスフォーのこの曲を聴く意味。そう解釈しました。
また歌物語として男性が今目の前のことに没頭するという意味もあります。
女性と会うことは良くないけれども、結果的に会ってしまったのだから。
そんなところでしょう。
2番の歌詞を見よう!
いつもこうなんのわかってんだ
ザレゴトに身を任せ後悔するんだ
信じられるのは己と
培った命の結晶
出典: ストラトキャスター・シーサイド/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Suspended 4th
そうこうしているうちに「今、現在、この瞬間」は刻々と進んでいきます。
というわけで2番の歌詞です。
この曲の聴き方がわかったところで、エモーショナルな歌物語にどっぷりハマる展開になっています。
既に別の相手がいる元カノと深夜の海辺で再会した主人公は、誘いに乗ってしまったことを大変悔やんでいます。
信用できるのは他人ではない。
自分自身と育んだ生命力だけ。
ここもまた、具体的に何のことを意味しているのかはっきりしません。
自責の念にかられた男性が、どうにかこうにか自分自身をしっかり保とうとしている様子だけが浮かびます。
元カノかどうかもわからないし、この曲の聴き方が歌詞に盛り込まれているという解釈も腑に落ちない。
そういう方もいるかもしれません。
そのとおりです。
何しろ、よくわからないのが正解。
この曲を聴くあなたも、あなた自身をちゃんと保つ必要があります。
これまでに積み重ねてきたあなたの経験を総動員して、ブレずにあなたらしい解釈をしましょう。
そういうメッセージかもしれません。