夢を失いたくない思い
曲名でもある「ドリームキラー」は、実際に使われている言葉です。
直訳すると、「夢を殺す人」となります。
MVの初音ミクちゃんも、黒っぽい服に大鎌を持った、死神風の姿に描かれています。
ドリームキラーとは言葉の通り、夢を諦めさせようとする人を指す言葉です。
そうする理由は妬みや、心配のあまり……と様々。
ところが重要なのは動機ではなく、身近にドリームキラーがいるという事実です。
叶えたい夢があるのなら、ドリームキラーの言葉に惑わされず、心を強く持つ決意が必要です。
歌の主人公も、ドリームキラーの言葉や反応に大きく揺さぶられています。
主人の決断は、夢を叶えることでしょうか、それとも諦めてしまうのでしょうか。
「僕」を取り巻く人々
主人公の「僕」
歌の主人公は、「僕」です。
名前が出ておらず、男性か女性かも定かではありません。
「僕」という呼称を聞くと、まだどこか幼い印象も受けます。
自分の軸が定まりきっていない、成長途中の心を持っているのでしょうか。
また歌詞に出てくる単語から、「僕」は学生ではないかとも考えられますね。
根拠となる部分が2か所あります。
バクに喰われた大人は ボクの鏡を叩き割った
出典: ドリームキラー/作詞:わか 作曲:かいりきベア
1つ目は、「おとな」という単語です。
わざわざ「自分」と「おとな」を別物のように書いています。
ここから、「おとなと自分との間には距離がある」と感じていると分かるのです。
困難?遭難?コンパスで刺して?
出典: ドリームキラー/作詞:わか 作曲:かいりきベア
2か所目は、上に挙げた部分です。
「コンパス」とは、言わずと知れた円を綺麗に描くための道具。
ところが、主に使うのは中学校までで、高校に上がるとほとんど使わなくなります。
ここであえてコンパスを登場させるということは、日常的に使用している可能性があります。
つまり「僕」は、まだ小学校高学年か中学生くらいかもしれないのです。
大人――夢を亡くした人々
第2の登場人物は、大人です。
一般的な定義としては、成人している人や社会人をさすかもしれません。
ですがここでは、もっと広い意味を持つ可能性もあります。
それは「夢を忘れた人」です。
歌詞内にある言葉が根拠になります。
バクに喰われた大人は
出典: ドリームキラー/作詞:わか 作曲:かいりきベア
「獏」は実際に存在する動物ですが、同じ読み方をする伝説の生き物も存在します。
伝説の方に出てくる「獏」について見てみましょう。
獏は、中国から日本へ伝わった伝説の生物。人の夢を喰って生きると言われるが、この場合の夢は将来の希望の意味ではなくレム睡眠中にみる夢である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/獏
このように、伝説上の獏は「夢を食べる」と言われているのです。
歌詞内では、大人たちは獏に食べられてしまったとあります。
これは、夢や希望を失ってしまったことを象徴しているのです。
夢や希望があれば、望むことは頑張ればなんでも達成できそうな気がします。
反対にそれを失えば、人は無気力になってしまうのでしょう。
「何をやっても上手くいかない」「努力なんて無駄だ」と信じるかもしれません。