EGOISTの「Planetes」とは?

「Planetes」はPCノベルゲーム『ギルティクラウン ロストクリスマス」に同梱されたOVAの主題歌として起用された楽曲です。

この曲が主題歌として起用されたOVAの内容は、アニメ『ギルティクラウン』のストーリー本編よりも時系列的に前のもの。

世界観を掘り下げるような話らしく、本編のキャラクターに関する内容を期待していたファンには予想外だったようです。

しかし、誰もが口を揃えて言うのは主題歌はすごく良いということです。

そして、上に掲載した「Planetes」のPVも、ギルティクラウンの本編の映像が使用されており、どちらかというと本編の内容に沿ったストーリーの歌詞楽曲

そんなこの曲の歌詞を今回は解釈していきます。

アルバム「Extra terrestrial Biological Entities」の中でこの楽曲が意味するものとは?

【Planetes/EGOIST】曲の最初に隠された愛の言葉とは!?涙が止まらない名曲の歌詞を解釈!の画像

「Planetes」の初出アルバムは『Extra terrestrial Biological Entities』です。

アルバムタイトルの地球外生命体という意味通り、地球外生命体である“楪いのり” のストーリーを収録曲が辿っているというこのアルバム

「Planetes」はいのりが最後にいなくなってしまって月に行ってしまったというこのアルバムのストーリーからすると、結末から一つ前の曲ですね。

想いを伝えられないまま愛する人を守るために消えてしまう、アニメのストーリーとも重なる曲の歌詞には、切なさが溢れています。

では、そんな「Planetes」の歌詞を解釈していきましょう。

EGOIST「Planetes」の歌詞を解釈!

ここからは「Planetes」の歌詞を解釈していきます。

解釈の後に曲の最初、そして、曲中のモールス信号に隠されたメッセージについても解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

今も心に残るのは、言えなかった想い

静かの海に一人
拾った貝殻耳に当てた
じっと耳を澄ませば
ほら
聴こえてくる
君のメッセージ

言えなかった想いを
砂に書いては
波がさらってゆく

Hello Hello
ここにいるよ
この物語の始まりの場所で
約束だけが繰り返しても
あなたの記憶に私はずっと生きてる

出典: Planetes/作詞:ryo(supercell) 作曲:ryo(supercell)

もう会えないところへ行ってしまっても、確かに存在しているいのりの存在を感じさせる歌い出しの歌詞。

いのりは誰もいない海にたった一人で、砂に自分の想いを書いている。

自分の想いを伝えることもできずに、愛する人を残してきたことに心残りはありながら、愛する人の心の中に自分が生き続けていると信じているのでした。

「物語の始まりの場所」とは、アニメの最初に集がいのりの動画を見ているシーンがありますが、電子の世界のことでしょう。

動画の中の歌で集とのまた会えるという「約束」が繰り返すだけで、実際にはもう会うことができなかったとしても、「あなたの記憶に私はずっと生きてる」と言っているのですね。

いのりの生自体がこの世に存在するべきではないものだったとしたら、いのりが確かに集と同じ時を生きた時間はなんだったのでしょうか。

もちろんその時間に意味がないわけではなくて、同じではないからこそその時間と同じように、心の中で生きていると信じることで、自分を励ましているのですね。

お互いの記憶の中で永遠に生き続ける、愛の形


記憶の海に沈み
久遠の時を私は行こう
ここから見える小さな地球(ホシ)と
見果てぬ宇宙(ソラ)に君を想って

雲の切れ間輝く青い故郷
地平線に消える

Hello Hello
ここにいるよ
この物語の始まりの場所で
どれだけ時が過ぎようとも
あなたの記憶に私はずっと生きてる

出典: Planetes/作詞:ryo(supercell) 作曲:ryo(supercell)

月へと帰ったいのりが、月から「地球」を見下ろし、そして「見果てぬ宇宙」を見上げながら、集を想うという壮大な愛が込められた歌詞。

愛する人との記憶の中で、一人永遠の時を生きていく。

それはとても寂しく、愛おしい時の重ね方でしょうね。

日没のように月の地平線に消える地球は、いのりにとって、愛する人と過ごした第二の故郷ですね。

そこで共に過ごした集や、仲間の心の中にいのりが生きているのと同時にいのりの「記憶」の中にずっと「集」たちは生き続けるということなのでしょう。

今はひとりぼっちだけど、心の中に仲間がいるから、ひとりぼっちじゃない。

そして、心の中に大切な仲間がいるからこそ、会いたいし、ひとりぼっちが寂しい。

どちらも共感できて、とても切ない歌詞ですね。

もう会えないとしても、またいつかあなたに会えると信じて

惑星が落ちる頃
あなたと私 引かれあって
必ずまた会える
あの約束の場所で

Hello Hello
ここにいるよ
電子を辿って始まりの場所へ
約束だけが繰り返してる
あなたに会うため旅を続けよう

私は宇宙(ソラ)から流れ
この物語の始まりの場所へ
その時再び会えるだろう
あの青い地球(ホシ)であなたに辿りつくから

出典: Planetes/作詞:ryo(supercell) 作曲:ryo(supercell)

「電子を辿って」「あなたに会うため旅を続けよう」という歌詞はもう二度と会えないとしても、想い続けているといういのりの想いが込められた歌詞です。

地球で日が落ちるように、月面に地球が沈む頃に、待ち合わせをして会えたらいいのに。

叶わない願いだとしても、「電子を辿って」集の元へときっと帰るからという切ない「約束」がそこにはあったのですね。

「宇宙(ソラ)から流れ」地球へと降り立って、「あなた」と出会い、再び天へと戻らなくてはならなくなったものの、また再び「始まりの場所へ」帰る。

巡り巡る二人の物語に望みをかけたくなる、そんな歌詞でした。