どんなに どんなに どんなに どんなに 思っていても
言葉に 言葉に 言葉に 言葉に できなければ
出典: ショパンの嘘つき/作詞:秋元康 作曲:山本加津彦
サビの部分で、同じワードを4回も繰り返すのです。
これは後半になってからも続きます。
こんなに こんなに こんなに こんなに 想ってるのに
スコアに スコアに スコアに スコアに 書かれてない
出典: ショパンの嘘つき/作詞:秋元康 作曲:山本加津彦
秋元康氏が作詞する楽曲に多く見られるのがこのリピート。
例えば、乃木坂46の代表曲でもある「インフルエンサー」。
イントロで同じワードが4回繰り返されているかと思います。
ショパンの嘘つきでも、イントロで同じワードが3回繰り返され部分があります。
そのため、この曲がインフルエンサーとよく似ているとコメントするファンも多いのです。
イントロとサビの部分でキーワードを繰り返すことで、脳内に染みこむように音楽が心地よく響きます。
数回聴いただけでも覚えることができ、思わずメロディーを口ずさんでしまうでしょう。
秋元康氏こそ、ヒットを生み出し続ける偉大な作詞家であり、音楽プロデューサー。
その功績は、ショパンと同じくたくさんの人の心を動かし続けています。
少女とピアノのある風景
主人公にとってのピアノ
それでは、ここから歌詞にこめられた主人公の想いを紐解いていきましょう。
この曲で大きな鍵を握るのは「ピアノ」と「ショパン」です。
まず最初に、彼女にとってピアノがどのような存在なのか考えてみましょう。
ピアノを弾いてるだけで 何をしている時より
私は幸せだった
出典: ショパンの嘘つき/作詞:秋元康 作曲:山本加津彦
主人公はピアノが大好きで、演奏している時が最も幸せだと感じています。
ピアノを習わせてもらえるということは、比較的に恵まれた環境で育っていることが想像できます。
大きなグランドピアノを防音室で楽しそうに弾く少女の姿が目に浮かんできます。
白と黒の鍵盤には世界のすべてがあるって
ママからいつも聞かされた
出典: ショパンの嘘つき/作詞:秋元康 作曲:山本加津彦
母親から受けた言葉から、主人公が一種の英才教育を受けているように思えます。
親が幼少期から我が子に音楽を習わせることはよくあります。
母親は音楽に明るい人なのかもしれません。
もしくは、少女が音楽一家に生まれた可能性もあります。
大きな期待を背負いながら、長時間に及ぶレッスンをする。
それが当たり前の風景。そんな環境に何の疑問も不満も抱いていません。
お嬢様でピアノと言えばこの人
この曲の主人公のような生き方を地でいくメンバーがいます。
父親の仕事の影響でドイツで生まれ、3歳からピアノを習い始めた生田絵梨花さんです。
自宅には防音室が完備されており、名門の東京音楽大学でピアノを専攻していました。
乃木坂46での活動と学業を両立するため、仮眠1時間で登校していたという逸話が残されています。
その実力は筋金入りで、第21回クラシック音楽コンクールで入賞を果たしました。
あの小室哲哉さんからも音楽の才能を認められていることは、ファンの間でも有名な話です。
テレビ番組のピアノ対決では視聴者からも絶賛される腕前を見せつけました。
その才能を生かし、ピアノ弾き語りでのソロを行うことも。
あのミュージックステーションでは、ピアノ伴奏を披露したこともあります。
この曲のタイトルにもなっている「ショパン」の楽曲を、彼女は弾きこなすことができます。
現在は消されてしまいましたが、彼女が弾いた【革命のエチュード】は再生数130万回を超えていました。
生田さんの歌声を聞くと、よりこの曲の世界観を味わうことができます。
広い世界を知ってしまった
世界の平和を壊したもの
この曲の主人公にとって、ピアノのある世界こそがすべてでした。
鍵盤を見つめている穏やかな時間。少し窮屈で居心地の良い場所。
しかし、その世界の平和を壊す存在と出会います。
ある日 窓の外の彼に恋をした
話しかけようとしたけど声にならなかった
出典: ショパンの嘘つき/作詞:秋元康 作曲:山本加津彦