サビはどこかハイテンションで不思議な空気が感じられます。

描かれているのは主人公の頭の中の世界

恋に落ち、心躍るような浮遊感を風船にたとえながら、楽しげな気持ちが伝わってきます。

彼女と話すことすらできない。そんな現実を一端置いて前向きになろう

落ち込みそうになる気持ちをそう鼓舞するのは主人公の心の声です。

ネガティブな心をなくせば、恋は素晴らしいものです。

胸がどきどきと高鳴って、なんでもできるような気持ちになれます。

君のことを思うだけで幸せになれて、世界がきらきらと輝いて見えるのです。

恋する力は無限大です。

そのパワーを得た主人公に、もはや怖いものはありません。

彼女への恋心が実らなかったとしても。それでも構わないと思える程強気でいられるのです。

軽やかに浮き上がる風船のように、主人公の心はどこまでも高く舞い上がってゆきます。

停滞する恋

うまくいかない

そして 君とまた会って Crazy love
だって瞳は一方通行
相変わらず 上がりっぱなし
あっという間にバイバイ

出典: ロマンティック病/作詞:秋元康 作曲:大橋莉子

また別の日、再び彼女と会う機会があったのでしょう。

英語の歌詞はそのまま訳すと恋に狂うという意味です。

ここでは君の前で平静を保てず、緊張のあまり普通でいられなくなる状態を表していると思われます。

続く歌詞は1番と変わらず主人公が彼女の瞳を見ることができないこと。

そして恋愛のベクトルが自分からしか向いていないことの2つの意味をもっているのでしょう。

なかなか思うようにはいきません。話が続かず、すぐに間が持たなくなってしまいます。

出会いのチャンスを活かしたい。主人公は当然そう思っています。

ですが現実は厳しいものです。あっという間に彼女は去っていってしまいます。

思い悩む

何度 会ったところで好きすぎて
個人的な話できなかった
可能性 将来性
協調性

出典: ロマンティック病/作詞:秋元康 作曲:大橋莉子

会う度に思いは募り、恋心は膨らむばかり。溢れる思いが空回って、関係を進めることができません。

もっと彼女のことを知って、親しくなりたい。

そのためにするべき話がたくさんあるにもかかわらず、口から出るのは表面的な話題だけ。

どうしてうまく行かないのか。主人公は頭を抱えます。

果たしてこの恋はうまくいくのか、未来はあるのか、一体何が自分には足りないのか。

ぐるぐると考えて、気持ちは落ち込むばかりです。

気づいたこと

恋と愛は
違うよ
気づかれたい それが恋さ
そばにいるだけでいい
それが愛だとわかった
(じゃあ 僕のはどっちの方だろう?)
ロマンティック病

出典: ロマンティック病/作詞:秋元康 作曲:大橋莉子

そうやって考えを巡らせて、主人公はあることに気がつきました。

恋と愛の違いです。

相手に自分の思いを知って欲しいと思うか、近付けるだけで良いのか。

自分は彼女に思いを伝えるどころか、話すことさえままなりません。

その感情は恋なのか愛なのか。自分の胸に問いかけます。

心のままに

フワリフワリ 風に乗れ!
ポジティブに吹かれよう
嫌なこと全部どけて
肩の荷を下ろして
ここはまるで天国
フワリフワリ 風に乗れ!
ドキドキに目を閉じろ!
この願いが届かなくても
ずっと君に片想い
ラブウィンドウ

出典: ロマンティック病/作詞:秋元康 作曲:大橋莉子

落ち込みがちな心に対して、2番のサビでも前向きになろうという気持ちが歌われています。

心の窓を開け放って、どこまでも自由に開放的にあろう。そんな声が聞こえます。

一向に進展しない恋に自己嫌悪に陥る気持ちを吹き飛ばして、楽しさだけを噛みしめるのです。

ネガティブを打ち払えば、彼女の近くにいられるだけで幸せになれます。

風の向くまま、心のままに好きという気持ちに胸をときめかせる。

恋のもたらす幸福感だけに浸っていられるなら、それは理想の世界といえるでしょう。

このまま彼女との関係が変わらなくとも、そんな楽しい世界にいられるなら幸せなのかもしれません。

ずっと一方通行な思いを抱えてもかまわない。そんな思いが主人公に芽生えます。

空想に溺れる

ロマンティック病

フワリフワリ 浮き上がれ!
現実は忘れよう
悲しみはここに捨てて 心 軽くなって
夢を見ればバラ色
フワリフワリ 浮き上がれ!
ときめきを思い出せ!
この想いが叶わなくても
今の僕は最高だ
ラブバルーン

出典: ロマンティック病/作詞:秋元康 作曲:大橋莉子