HEY-SMITHの「True Yourself」とは
「Now Album」収録曲
2013年5月に発売された4枚目のアルバム(3枚目のフルアルバム)があります。
タイトルは「Now Album」。
そこに収録されています。
以前のインタビューでGt/Voの猪狩さんが
”このアルバムは売れたいよりも歌いたい曲になった”
とコメント。
その言葉通りメジャーな内容の歌ばかりではありません。
違法DLや原発などシリアスなナンバーも多くみられるアルバムです。
このアルバムの作成中にMukkyさん(Ba/Vo)が突発性難聴を発症。
そして、2014年に同じくオリジナルメンバーのIoriさんとともに脱退します。
つまりオリジナルメンバーで製作された最後のアルバムなのです。
「True Yourself」の曲調
HEY-SMITHといえばパンク、スカパンクの明るい曲調のイメージ。
しかし、この曲は全体的にロックやメタル系の色合いが強い曲です。
シンプルながら印象に残る最初のギターリフからのドドンッ!という決め。
そしてホーン隊とのユニゾン。
スカらしい裏ノリのカッティングを入れてからのシャウトパート。
落差の激しい展開ですが、一体この叫びにどんな意味が込められているのでしょう。
そして、Wow...から始まるメロディックなサビ。
シャウトなどは含まれていません。
しかし、魂の咆哮のようなものを感じるのは私だけではないでしょう。
気になる歌詞を和訳
持っていないとバレるのが怖い?
Passing over with doing nothing can make nobody recognize.
Ain't you got that?
Don't act like you're better than you really are.
出典: True Yourself/作詞:猪狩 秀平 作曲:猪狩 秀平
訳)何もしなければ誰も気づかない
お前は持っていないのか?
いいように繕わなくていい
Are you frighten? Kick that idea.
Are you satisfied? Reach down deep inside.
Finally don't you want to come to a recognition.
出典: True Yourself/作詞:猪狩 秀平 作曲:猪狩 秀平
訳)怖いのか?そんなもんは蹴り飛ばせ。
それで満足か?心の奥に聞いてみろ。
本当に、気づかれることを恐れているのか。
何かを持っていないのが回りにバレてしまう。
それを恐れているように聞こえます。
けれども、”誰が”、”何を”というのは明確には示されていません。
ただ、このAメロ部分が曲全体の伏線的な役割を果たしています。
耳が聞こえなくても
The case you are deaf, fall into depression,
Or turn blind eyes, so what's wrong, that's O.K.
出典: True Yourself/作詞:猪狩 秀平 作曲:猪狩 秀平
訳)耳が聞こえないとしても、うつ病だとしても
目が見えなくても、何が悪い、それでいいんだ
Aメロの「何を持っていないのか」の部分が明らかになりました。
「Now Album」制作途中にベースのMukkyさんの耳が聞こえなくなってた。
そんな背景が影にあります。
「何を」というのは聴力や視力といった「みんなが持っているもの」でした。
この「Ture Yourself」はMukkyさんへの思いを込めた曲にも捉えられます。
急に耳が聞こえなくなってしまい本人も塞ぎ込んでしまっていたのでしょうか。
Mukkyさんへの励ましのメッセージにも感じとれます。
しかし、このアルバムは猪狩さんが自分に向けて書いた部分もある。
そうインタビューでもおっしゃっていました。
Mukkyさんの耳のことで落ち込んでしまっている猪狩さん。
そんな自分への励ましの意味もあるのでしょうか?