電気グルーヴの魅力とは?
デビュー以来25年以上に渡って日本のテクノ、エレクトロシーンをリードしてきた電気グルーヴ。
彼らのライブは一度見たら忘れられない、クセになる魅力があると言われています。
一体何が人を引きつけるのでしょうか?
この記事ではその魅力について解説していきましょう。
悪ノリとおふざけ
さて、ライブの前に電気グルーヴというユニットそのものの魅力について考えてみたいと思います。
電気グルーヴは曲のタイトルやPV、歌詞の面白さに定評があります。
小学生が休み時間に考えるようなくだらないものから思わずクスッとしてしまうユーモアあるものまで様々です。
「ガリガリ君」などは典型的な例でしょう。
その昔、メジャーデビュー直後に当時メンバーだったCMJKが脱退する時の記者会見は伝説になっています。
まじめに答えるCMJKの周りで、石野卓球とピエール瀧はずっと一糸まとわぬ姿だったのです。
音楽雑誌等では当然モザイクがかかっていましたが、若かったにしてもあり得ない暴挙でしょう。
こういうことをやってしまうアナーキーさが電気グルーヴの魅力だと思います。
もちろん、それを好まない人もいるでしょう。
そういう意味では好き嫌いが分かれる表現やスタイルのユニットと言えるかもしれません。
面白さだけじゃない!
音楽のクオリティの高さ
電気グルーヴの魅力はそうしたおふざけの部分だけではありません。
音楽をやっているのですから、音楽がいいものでなくてはファンはついてきません。
どんなに面白くても、音楽がつまらなくては単なる悪ふざけにしかならないのです。
電気グルーヴは日本のダンスミュージック、エレクトロニックミュージックに大きな影響を与えたグループです。
1994年のアルバム『VITAMIN』は特に傑作と言われています。
『VITAMIN』は大半の曲が歌詞のない、インストルメンタルの曲でした。
当時としても、メジャーのポップグループのアルバムとしてはありえないことだったのです。
このアルバムがヒットしたことで日本におけるエレクトロニックミュージックの認知度は大きく高まりました。
その後のアーティストに与えた影響も非常に大きかったのです。
そしてサウンドだけではなく、石野卓球の作るメロディーも電気グルーヴの大きな武器です。
「虹」や「Shangri-La」、「Nothing's gonna change」といった曲ではそのセンスが良くわかります。
ふざけただけではなく、聞いた人を感動させる曲も作ることができる。
それが電気グルーヴというグループの魅力なのです。
電気グルーヴのライブ
サポートDJの存在
それでは電気グルーヴのライブがどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。
ステージ上のセットとしては、DJ用のミックス卓やパソコンなどの機材が中心になります。
そして、基本的には石野卓球がそれを操作するわけですが、電気グルーヴの曲では卓球自身がボーカルをとる曲もあります。
時にはマイクを持ちステージ前方に出てきて歌うことも。
その時にサウンドを担当する存在が必要です。
かつて3人組だったときには、まりんこと砂原良徳がその役割でした。
今はサポートDJをつけてライブを行っています。
ここ数年のライブではagraphこと牛尾憲輔がサポートを担当しています。
デビューの頃から石野卓球にその才能を認められ、卓球が主催するレーベルから作品をリリースしていました。
そのテクニックやセンスを信頼しているからこそ、石野卓球も安心して任せられるのでしょう。
ステージでは黒子に徹していますが、電気グルーブのライブにはなくてはならない存在なのです。
VJによる演出
電気グルーヴのライブではステージ後方のスクリーンに映像が映し出されます。
多くはCGの文字や絵が動くシンプルなものですが、曲のリズムに合わせて動くようになっていて見ていて楽しいのです。
この映像を担当しているのがDEVICE GIRLSです。
電気グルーヴや石野卓球とのつながりは古く、15年以上の付き合いになります。
石野卓球が主催したレイブ・イベント「WIRE」のVJやビジュアルを担当していました。
音楽に体を動かしたり、電気グルーヴの二人を見るだけでなく、ぜひVJにも注目していただきたいですね。
ピエール瀧の役割
電気グルーヴのライブで最も特徴的なのが怪人・ピエール瀧の存在でしょう。
サウンドを司る石野卓球に対し、ピエール瀧の役割というのはとてもあいまいです。
もちろんボーカルのある曲ではマイクを持って歌いますし、石野卓球とハモったりもします。
しかしライブの大半ではステージ上を歩き回り、観客を煽ったりいじったりするのが彼の仕事。
時には被り物をしたり、指にレーザー光線を仕込んだりして盛り上げます。
ファン以外の人にとっては音楽的な貢献が少ないピエール瀧がなぜグループにいるのかよくわからない人もいるかもしれません。
しかし、ファンは知っているのです。
ピエール瀧がいなくては電気グルーヴは電気グルーヴではないということを。
これはCDを聞くだけでは理解できないかもしれません。
ぜひライブでピエール瀧の存在感を体験してもらえればと思います。