ゆず「マボロシ」は至極のバラード

ゆず【マボロシ】歌詞&MV徹底解釈!本当に…ゆず?もしかして…幻?ドラマ「昭和元禄落語心中」主題歌の画像

ゆずの「マボロシ」は、これまでのどのバラードよりも、極めて至極な1曲といえます。

これまでのゆずから、1歩抜きん出た作品だからです。

「月影」や「おやすみ」、「二つの言葉」などが、バラードで彼らの名曲とされます。

数々のバラード名曲は、たくさんのファンを魅了し続けてきました。

しかし、本作が与える衝撃はとてつもなく大きく、彼らのイメージではないのです。

愛と憎しみが描かれる曲が、これまでにあったでしょうか?

ゆずっこであれば本作を聴いた瞬間の衝撃は、とてつもなく大きいのがわかるはずです。

ゆず「マボロシ」のメロディーライン

ゆずの「マボロシ」が至極のバラードとする理由の1つは、重厚なメロディーラインです。

彼らの軽快なハーモニーは封印され、切なさが全面に出された曲調が奏でられます。

主旋律はしっかりと、はっきりと、響くのです。

しかし、背後で「マボロシ」を連想させる揺らめく和音。

メッセージを伝える力強さと、揺らめく和音は、これまでの彼らの楽曲にはありませんでした。

深く計算されたメロディーは、ゆずの新たな1面を感じられるのです。

ゆず「マボロシ」のMVから受ける印象

こんな側面もゆずにはあった!

モノトーンの映像と、雨というロケーション。

ゆずの2人がタイトルのごとく、脳裏に焼き付いている「マボロシ」を追い求めています。

寒空の中、白い息を吐きながら歩く姿。

人とのかかわりを避け、孤独に思いをはせているのでしょう。

あらゆる人が錯綜する中、傘をさし1人だけ立ち止まっている姿。

周囲の時は進んでいるのに、1人だけ時間が止まったように感じます。

もう届くことのない、愛する気持ちを振り切れずに、現実を受け止められないのでしょう。

「マボロシ」と感じてしまう気持ちを抱いたとしたら、こんなシチュエーションが良くわかります。

あらゆる状況の気持ちが共感しやすい、シンプルだけれども素敵なMVだと感じます。

ドラマ「昭和元禄落語心中」の世界とゆずの「マボロシ」

ドラマと本作に通ずるもの、それは相反することに抱く感情です。

「昭和元禄落語心中」でも、生きることと死ぬこと、愛情と憎悪が描かれます。

この巧みな描写が多くの人から支持を得て、原作も大ヒット作品となるのです。

「マボロシ」の歌詞では相反する感情が綴られ、悩み、苦しむ様が表現されています。

人の感情や経験は全て紙一重で、天国にも地獄にもなるのでしょう。

この紙一重は特別なことではなく、全ての人にあてはまるのです。

あなたも突然、ゆずの描く「マボロシ」を経験するかもしれません。

「マボロシ」が意味することは?

あなたの愛して止まない人、あなたの大切な思い出、人生の終着による別れ。

あらゆるものが、「マボロシ」にあてはまります。

愛するという感情は、お互いに通じ合っていれば「マボロシ」ではありません。

しかし、お互いに通じ合わなくなると、愛するという「マボロシ」になるのです。

大切な思い出も現在ではなく過去を表し、手元に引き寄せたくても引き寄せられません。

残念なことに人生の終着駅を迎えてしまったのも、同じことがいえるのです。

あなたの気持ちが詰まったこと全てに、「マボロシ」があてはまります。

ゆず「マボロシ」の歌詞からわかること

大切なことが、突如として消えてしまった苦悩。

これほどまでに苦しいことが、一体他にあるでしょうか。

忘れたくてもいつまでも心に残り、手を伸ばしても掴めないのです。

不意に蘇る記憶から、逃れる術がありません。

こんな状況、あなたならどうしますか?

本作から深い悲しみと切なさを感じて、歌詞を読み解く作業が鈍ります。

1つ1つ、ゆずの名曲「マボロシ」を紐解いてみましょう。

複雑な心境

なぜだろう こんなにも
こころが 泣いている
蝋燭の火が 風に吹かれ
影を揺らすように

出典: マボロシ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁

泣くというのは表面的なことだけではなく、内側にある心でも起こることです。

あなたもこのような喪失感にも似た、心の表情を感じたことがありませんか?

涙を流せるほうがよっぽど楽で、心が締め付けられる感覚でしょう。

ゆらっと、止めどなく溢れてくる感情を抑えられず、どうして良いのかわかりません。

本作のMVでは、このような描写がされているのです。

歌詞をみるとより一層MVの世界は、素晴らしい表現だと感じます。