路上ライブで聴衆が聴き入った名曲
「春風」は、ゆずが横浜の路上でライブをしていた頃からファンに支持されていた名曲です。
この曲がCDリリースされたのが2007年3月。路上時代からのファンが待ちわびていた一曲でした。
こんな名曲が何故10年も発売されなかったんでしょうね。
やっとリリースされるや否やオリコン初登場1位という偉業を成し遂げました。
リリースを待ちわびていたファンが大勢いたことが分かります。
発売されたのは11年前ですが、作られたのは更に10年以上前ということになります。
昔に作られた曲ですが、ゆずの王道バラードとして今もそしてこれからも聴き継がれる名曲と言えます。
今回は、タイトルになっている「春風」が何を意味しているのか?考えてみようと思います。
僕」の心と雨がシンクロ
降り続く雨に寂しくなる「僕」の心
窓の外は冷たい雨が降り続いてる
僕は少しうつむいて君の事思い出してた
こんな事なぜ今頃になって
昔の事としか思っていないのに
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
冷たい雨なので、まだ寒い季節なのでしょう。
一人の部屋で降り止まない雨を見ています。
最初から寂し気なシーンから始まります。
寂しいから誰かのことを思い出したのでしょうか。楽しかった思い出です。
別れた彼女のことを思い出したのかな?と思いましたが、そうではないようですね。
後の歌詞で想いを伝えられなかったと言っていますから。
そして、彼女のことはもう忘れたつもりだったのでしょう。
過去のことになったはずだったのに、こんな雨が降り続く日に一人でいると寂しくなって思い出してしまいます。
それは、まだ吹っ切れてないから。
まだ好きなんですね。彼女のことを。
寂しい「僕」の心に吹き込む一陣の春風
春を告げる風が今吹いて
鮮やかに君を僕の中映し出す
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
今までの寒い冷たい雨のシーンに、一陣の暖かい春風が吹き込みます。何故って?
彼女との楽しかった日々を思い出したからです。「僕」にとって彼女は太陽のような存在なのです。
彼女との思い出はみな、暖かくて明るくて凍てついた「僕」の心を癒してくれたのです。
そんな彼女は、何故隣にいないのでしょう?
岩沢さんと北川さんのハモリに圧倒される
これぞ「ゆず」というハモリ

サビでは岩沢さんの突き抜ける高音のハモリが加わり、「僕」の強い想いを感じさせてくれます。
ゆずの演奏には、ドラムもベースもキーボードもなくアコギとハーモニカだけ。
なのに2人のパワフルな歌声とシンプルな演奏だけで、ドームの聴衆をも魅了してしまうのです。
あの声を維持するのにどれだけストイックな生活をしているのだろうか?と2人の歌声を聴きながら思いました。
やはり、路上で歌っていたからでしょうね。囁くような声で歌っていても誰も立ち止まってくれませんから。
路上ではマイクなしの生声
横浜伊勢佐木町で路上ライブを行っていた頃は、マイクなしの生声・生音でした。
今では路上でもマイクやアンプを使ったパフォーマンスが当たり前になっています。
でも、ゆずは全く使っていませんでした。
自分達の声と演奏だけで通りを歩く人達の足を止め、その歌に引き込む力があった訳です。
路上で活動していた2年間、あのパワフルな声を維持していました。
だから、ドームで何万人もの聴衆を引き込むパフォーマンスができるんですね。