ゆず系の王道爽やかソング?「3カウント」
元々の曲名は...
3カウントは日本中央競馬会のイメージソングとして作曲されました。
作曲された時点での曲名は「圏外」。
しかし競馬業界で圏外という言葉は演技が悪く、「3カウント」に変更になったそうです。
圏外という言葉は、どこかネガティブな印象ですが、3カウントはどこか明るい印象。
後述の歌詞を見ていただくとわかりますが、「圏外」という曲名も意味深で絶妙にマッチしています。
仮に日本中央競馬会のイメージソングでなかったら...
全体的に明るい感じから「圏外」という曲名で、月9の主題歌などになっていたかもしれません。
爽やか要素だけではない
デビューから現在に至るまで、爽やかな曲を多く発表してきているお二人。
ゆずの爽やかで明るいメロディー、歌詞が好きな方は多いでしょう。
3カウントの作詞作曲は岩沢さんが担当しています。
メジャーデビューシングル「夏色」のような、王道で伝わりやすいキャッチーな曲を書く北川さん。
それに対し岩沢さんはどこか変わり種で何故か聞き入ってしまうような曲が多いです。
この曲もリズミカルで明るい曲調ですが、歌詞に注目してみると少し難解でひねりが効いているようです。
曲構成も転調が多く、ポップながらも岩沢さんのエッセンスを感じます。
そんな入り組みながらも聴きやすい3カウント、その歌詞にスポットを当てていきます!
憂鬱な日常のルーティーン
期待通りの雨に打たれ 成す術もなく立ちすくんでる
そう いつものことさ
そんな風にして少しずつまた救いようのない町の中に
今日も紛れ込んでゆく
出典: 3カウント/作詞:岩沢厚治 作曲:岩沢厚治
想像してみてください、雨が降り出しました、傘はありません。
普通なら雨宿りできる所に入るか、駆け足で目的地に向かいます。
しかし、歌詞の主人公はすごく落ち込んでいます。
歩く気力どころか、雨宿りをすることさえできない。
「まあいいか」くらいの感情しか働きません。
それくらい打ちひしがれています。
そしてずぶ濡れのまま、トボトボと傘をさした人の流れに紛れ込んでいきます。
想像できましたか?
まるで映画のワンシーンです。
しかし、落ち込んでいる時になんとなく傘をささずに雨に打たれたいと思ったことは無いでしょうか。
筆者はあります(笑)
何かプラスになるわけではないけど、そうすることで機械的に自分を動かすことができるかもしれません。
そして、この歌詞の中の主人公はいつもそれを必要としています。
雨に打たれることが主人公のルーティーンなのでしょう。
どうしようもない日々の中で
ため息と諦め
サビへと続くフレーズでは、諦めの様な言葉が並びます
軽はずみの言葉並べて
何が変わると言うのだろう?
路地裏のいつもの辺り 星のない空の下で
出典: 3カウント/作詞:岩沢厚治 作曲:岩沢厚治
軽はずみな言葉というのは、必ずしも軽薄な人が言う言葉ではありません。
どれだけ聡明な人でも、落ち込んでいる時に苦し紛れに出てくるものです。
きっと言ったところで何も変わらない、けど何か言わずにはいられない。
それぐらい歌詞の主人公は追い詰められています。
そして帰り道でしょうか、いつも雨に打たれる路地裏にやってきます。
そこで期待通りに雨が降リ始めます。
ここまで落ち込んでしまうと、少し心配になってきますね。
帰り道にも雨に打たれるルーティーンが必要ということ。
つまり、そうしなければ家にも帰れない。
そんな情景が浮かびます。
そうして歌はサビに続きます。