夕陽が沈む空を見ているか?
時間が過ぎる
その背中は美しいだろう?
Yes! それなりの今日が終わり
すべてリセットする夜が来るよ
家路を急ぐ君は一人きり
どうして
自分のことを誉めてあげないのか

ねえ ちゃんと見てあげようよ
君が君らしく生きてること

出典: 夕陽を見ているか?/作詞:秋元康 作曲:岡田実音

夕陽が沈むことは、何を意味するのでしょうか。

夕陽が沈むことは、夜が来る合図です。

夜が来るということは…こんなに悩んでいる今日にも終わりはある。

だから、今日できなかったダメな自分ばかりを見つめるのではなく、明日に向けて自分の良いところをちゃんと見つめてあげてほしい。

そんなメッセージが込められているのかもしれません。

誰の目も気にする必要はなく、自分で自分をまず認めるべきだと励ましてくれています。

人に認められることを望む前に、自分のことはまず自分が認めてあげなくてはいけないのです。

この社会で生きるということ

人間関係は面倒だけど
一人では生きて行けない

出典: 夕陽を見ているか?/作詞:秋元康 作曲:岡田実音

私たちは効率的に物事をこなすことが出来るようになるうちに、一人で生きて行ける気がしてしまうものです。

みんなで協力しなければならない場面でも「一人でしたほうが早い」と思ってしまう時だってあります。

誰かの自分を思いやったアドバイスだって鬱陶しく思ってしまったり、融通の利かない相手につい嫌な言い方をしてしまったり…

そんなことから関係に溝をつくってしまうこともあるでしょう。

人間関係は一筋縄ではいかないものです。でも、私たちは一人では生きて行けないことを忘れてはいけない。

本当は、一人ひとりは弱い存在であり、支え合わなければ世の中は回らない。

もちろんネガティブな意味ではありません。

支えてもらって、そして自分も誰かを支えてあげること。

その大切さを改めて教えてくれています。

希望を忘れないで

時にはきつい言い方したり 誰かの足を踏んでしまったり
誤解されたりいろいろとあったけど いつも希望に満ちている

出典: 夕陽を見ているか?/作詞:秋元康 作曲:岡田実音

この歌詞の冒頭部分では、仲間だからこそ思わず言ってしまう失言や、仲間だからこそ芽生えるライバル心、足の引っぱり合いなどが思い浮かびます。

様々な葛藤や、必死になるあまり生まれる軋轢。必死だからこそのぶつかり合いは人生の財産と言えるでしょう。

なぜならそれを乗り越えたからこそ生まれる絆は、ただただ「仲良く」過ごすだけでは生み出すことのできないものです。

相手の嫌な部分も知っている、自分の醜い部分も見せてしまっている。

そのことを互いが許し合い、互いが認め合っている関係はきっとこの先も色褪せないものになる。

そんなことを感じさせてくれる、優しさに溢れる歌詞です。

失うこととは?

夕陽が沈むと、空からは夕陽が失われ、夜が来ます。人生だって同じではないでしょうか。

失うことは何かを
いつか必ず手に入れられること

出典: 夕陽を見ているか?/作詞:秋元康 作曲:岡田実音

この楽曲を歌うAKB48の彼女たちだって、アイドルの道に進むことで失った普通の青春時代があると感じているメンバーもいるかもしれません。

けれど、だからこそ見られた景色があることを彼女たちは信じている。

彼女たちが歌うからこそ、この歌詞がどこか切なく、けれども力強いものとして伝わってきます。

失ってすぐ、別の何かが手に入ることは約束されてはいません。

けれど、「いつか」は必ずやってくるから自分を信じて進もうという願いなのです。

もし、いま何かを失ってしまったと感じていても、夜が来るということは「リセットの合図」であることを思い出して、受け入れたなら進んで行けるのです。

人生とは、選択の繰り返しがつくってゆく道なのでしょう。

自分らしく生きるということ

悩まないで

ねえ ちゃんと見てあげようよ 君が君らしく生きてること

出典: 夕陽を見ているか?/作詞:秋元康 作曲:岡田実音

自分が自分らしく生きているか否かについて、わたしたちは半信半疑になりやすいものです。

友人を羨ましく思ったり、誰かのものを欲しがったり…

自分は何を判断基準にしているのか分からなくなることもあります。

こうして日々悩んでいる「」も、一人きりで家路についている「」も、他の誰でもない「」だから、それすらもう「君らしさ」なのです。

あなたがあなたとして生きている、ただそれだけで、あなたらしさはすでにある。

そのことにもっと自信を持つべきだ、と楽曲がまさに夕陽のように力強くわたしたちの背中を押してくれています。