ユメヲミタアトデ
君はまだ遠くて
気持ちだけ先走って空回り
花の雨が降るこの道は変わらず
腕を絡め歩きたいな
出典: 夢みたあとで/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利
ケンカをしてしまった恋人たちの間には、まだ大きな距離があります。
仲直りしたい。
どちらかがそう思っているのか、もしかしたら互いにそう思っているのか。
それはわかりませんが、仲直りしたい気持ちはうまく噛み合っていない様子です。
しかし恋人たちの間には、仲直りしたい明確な理由がありました。
それが4行目〜のフレーズ。
季節は春なのでしょう。木々はたくさんの花で彩られています。
春の暖かな風で舞い散る花びらの下を、二人仲良く歩けたら…。
二人の大切な約束なのかもしれませんね。だからなんとしても、二人は仲直りしなくてはならないのです。
なかなか仲直りできない二人
見えない未来への不安
ケンカして疲れてもまた会える
そんな日はいつまで続くかな
出典: 夢みたあとで/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利
ここまでの主人公二人は、ケンカ中とはいえ完全な決別ではありませんでした。
仲直りのために頭を悩ませていたくらいですから。
しかしこのフレーズは、どこか永遠の別れを感じさせるのです。
互いを想い合う恋人同士なら、ケンカしたって簡単に離れることなどありません。
仲直りして、またケンカして、でもまた戻って…。
それを繰り返しながら絆を深めていくものです。
しかしここでは、そんな未来に不安を抱いています。
一体いつまで、こうして同じことを繰り返せるのだろう。
不安を抱くに至った経緯は描かれていませんが、何かしらの出来事があったのかもしれませんね。
悩むくらいなら、いっそ…
時々感情持って生まれてきたこと
憂鬱にさえ思ってしまう
出典: 夢みたあとで/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利
人には感情があります。
良くも悪くも人が無関心でいられないのは、感情があるからでしょう。
日々起こる様々な出来事に、人の心は常に動かされ続けているのです。
それは時に人々を幸せな気持ちにしますが、当然ながらその逆もあります。
主人公たちにとっては、まさにその状態。
感情があるためにケンカをしてしまった。あれこれ考えすぎて、仲直りもできない。
そんな状態に陥っていることに対し、なかなか晴れないモヤモヤを抱えているのです。
それでも思い出すのは
相手への気持ちを募らせる
舞い上がって旅立って遠くまできたな
寂しい夜に思い出すのは
愛した人より愛された日々
出典: 夢みたあとで/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利
ケンカのモヤモヤを晴らすべく、行く当てのない旅をしていたのでしょう。
もしかすると、ケンカをした勢いで家を飛び出してしまったのかもしれません。
少し時間が過ぎてから心に向き合ってみたら、少し冷静になっていました。
一人になって考えることは、愛しいあなたの事ばかり…。
かと思いきや、それ以上に感じることがあったようです。
それは、自分がどれだけ愛されていたか、という幸せな気持ち。
自分が愛を注いだ以上に、たくさんの愛をもらっていたのでしょう。
その、あたたかで幸せな気持ちに浸ったことで、また気持ちに変化が表れたようです。
増していくあなたへの想い
ユメヲミタアトデ
解き放つ窓の向こう
目の前で分かれゆく風の音
通り過ぎたあとの静寂に降る太陽
優しすぎて愛しさ増す
出典: 夢みたあとで/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利
これまでのストーリーをまとめて表現しています。
3行目、風の音が分かれているというのは、まさに主人公たちのケンカを表しているのでしょう。
それが通り過ぎた、つまり仲直りをしたあとにはあたたかい気持ちが湧き出てきます。
仲直りできたことによる心のあたたかさ。非を認め、それを受け入れた心の広さ。
それらの優しさに触れたことで、恋人たちはより一層その絆を強固なものにしたのです。