それが偽物でも…

Quasi calm. もう失いたくない
Quasi love. 繋がってたい

出典: Lamp/作詞:中村未来 作曲:中村未来

登場する英単語の意味はそれぞれ「擬似的な穏やかさ」「擬似的な愛」を示します。

つまり、とても似てはいるが本物ではないということです。

歌詞の主人公は偽物であることに気付いていながらも、それらにすがっている状態と言えます。

表向きは気づいていないふりをしているのかもしれません。

偽物であったとしても、傷つき、居場所のない主人公にとってはそれらが大事に思えたのかもしれませんね。

何とも不自然で不安定な状態です。

「自分で自分を騙している」

そんな状態はもちろん、長続きはしないでしょう。

長続きしたとしてもいつかバランスを崩してしまう羽目になりそうです。

また、この部分は『約束のネバーランド』の主人公たちを強く連想させます。

彼らは自分たちが食用児であることを知らないまま、「ママ」から偽の愛情を受け、孤児院で育ってきたからです。 

切り捨てたものは?

君が無駄だと切り捨てたものは
僕にとってかけがえがないんだ
悲しい顔で 黙ってないで
蹴り上げてやれ
滲んだ毒 掻き混ぜて 濁らすな

出典: Lamp/作詞:中村未来 作曲:中村未来

とても危なっかしい状態の主人公でしたが、ある出会いが彼(彼女)を変えます。

自分を自分で騙していた「君」は、本当は自分に必要なものであっても、それを犠牲にしてきました。

本当は辛いのにそんな自分の感情を無視してきたことで、心はすっかり麻痺している状態。

「僕」がそれをはっきりと伝えたことで、やっと自分が悲しみ傷ついていることを自覚します。

しかし、「僕」は「君」が何も行動しないことを更に非難しました。

理不尽な運命には自分で立ち向かう必要があると言いたいのでしょうか。

一番最後のフレーズがとても不穏な雰囲気ですよね。

どうしても「毒殺」という単語が浮かんでききます(笑)

「君」がそんな状況になった原因を失くそうと画策しているのかもしれません。

これまでずっと受け身な態度で奪われてばかりだった主人公ですが、やっと反撃をするターンに。

とても大きな変化が訪れましたね。

まだ間に合う!!

一歩を踏み出そう

情けないくらい 汚れて
まだ間に合うでしょ?

出典: Lamp/作詞:中村未来 作曲:中村未来

ここの部分は「君」と「僕」、二人の会話のように感じました。

すっかり自信を失くした「君」に対して前向きな言葉をかける「僕」。

汚れは洗えば落ちるものもありますし、ひどい汚れは漂白するという手もあります。

まだ破れたり壊れたりしたわけではないのです。

再起はこれからだと励ます「僕」。

「君」の目にはとても頼りになる存在に映ったことでしょう。

偽物にはもう頼らない

Quasi calm. もう甘えたくない
Quasi love. 進まなくちゃ

出典: Lamp/作詞:中村未来 作曲:中村未来

1番の歌詞と比べてみてください。

偽物の穏やかさや愛に対して、決別する気持ちが現れていますよね。

「僕」の呼びかけに応えた主人公は、新たなステージへと足を踏み出すことを決意しています。

「何も行動しない」ことが一番良い方法なら、我慢強いということもできるでしょう。

しかし、ただ「行動する勇気がない」だけだという場合もあります。

主人公の場合はおそらく後者だったのではないのでしょうか。

彼(彼女)が行動する勇気を持てたのには、前述の通り、「僕」との出会いがあったからです。

お互いの存在があるから

越えていけるさ
暖めてくれる 一緒だから
何度でも立ち上がる
ずっと守りたい
塗り替えろ この小さな世界を
選んだ道 照らしていて
こわいなら 大丈夫

出典: Lamp/作詞:中村未来 作曲:中村未来