「インフェルノ」
8枚目
「インフェルノ」は2016年7月20日にリリースされた、9mm Parabellum Bulletにとって8枚目のシングル曲です。
オリコンチャート23位を獲得しました。
「インフェルノ」はアニメ「ベルセルク」オープニングテーマとして書き下ろされた曲。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/インフェルノ_(9mm_Parabellum_Bulletの曲)
曲が短すぎる?!
実は「インフェルノ」は演奏時間が90秒です。ショートバージョンではありません(笑)。
原曲がこの短さなんです。いくらなんでも短すぎますよね(笑)。
というのも、「ベルセルク」オープニングテーマとして、アニメで実際に使用される時間(尺)に合わせて制作されたからです。
これは潔いですね!無理に曲を短くした訳ではなく、「ベルセルク」の主題歌として適切な長さになったということです。
この短い時間でも表現したいこと全てを過不足なく形にできたということ。ベストな曲の尺です。
9mm Parabellum Bulletは短い曲が多いバンドですが、特に「インフェルノ」は一番短いです。
凝縮した曲のエッセンスを味わいましょう。
そして、気になるのがこの曲の長さでクレームが来なかったのか?ということ(笑)。
9mm Parabellum Bulletのファンならそんなクレームを出す人はいないと思いますがちょっと気になります。
おそらくそのような心配をレコード会社もしたのでしょう。
「インフェルノ」のシングルにはなんとZepp Tokyoでの公演から13曲を収録!!
これでクレームはないですね(笑)。
ライブに定評のある9mm Parabellum Bulletですから、新旧のファンにとってもうれしい収録ですね!
それでは90秒の「インフェルノ」の世界を見ていきましょう。
「インフェルノ」の歌詞
深掘り
命を燃やし尽くせ
終わらない夜の果てまで
出典: インフェルノ/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
「ベルセルク」の戦いを想像させる歌詞ですね。戦いに明け暮れる世界を描写しています。
命を燃やさなければ倒される世界。夜まで続く戦いを想像させます。
9mm Parabellum Bulletが「ベルセルク」を好きなので深い歌詞が書けますよね。
映画の主題歌はやっぱりその映画を好きなアーティストに作ってもらいたいもの。
曲の深度がまったく違ってきますから。
一寸先の暗闇が 口を開けてうごめいてる
悪夢まがいの現実 誰も逃げられない月の下で
出典: インフェルノ/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
戦場では一瞬の油断が命取りになります。ほんの少し気を抜いたら死が待っている世界。
そんなストレスフルの中で生きていくっていうことは想像できません。
ストレスまみれの現実は悪夢に違いありません。毎日が悪い夢を見ているかのよう。でも、そこからは逃げられません。
そのような運命の星の下に生まれてしまったからです。夜の月明かりの下でも心は休まらず、いつも警戒を続けています。
どんなに苦しい世界でしょうか。ストレスだけでも死んでしまうかもしれない過酷な世界。
決して折れない剣を取れ
おれがおれでいるために
もう何も失わないように
出典: インフェルノ/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
「決して折れない剣」とは2つの意味があるのではと思います。
1つ目の意味は文字通り物理的な「剣」です。剣が折れてしまっては死を待つしかありません。
自分の身を守るためにも、仲間を助けるために剣は最重要なアイテムです。
戦場においては自分の命といってもいいでしょう。
2つ目の意味は「決して折れない剣」=「決して折れない心」です。
剣がなくては戦えませんが、それよりも重要なものは「心」です。
精神がしっかりとしていなければ、いくら強い武器を持っていたとしても敵を打ち負かすことはできません。
戦いにおいて一番重要なのは「心」=「精神力」です。戦いに対する気持ちが強ければ強いほど相手を打ち倒すことができます。
相手よりも数が少なくても、精神力の力で倒すことが出来るのです。
ここは戦場での心のあり方を歌っているのではないでしょうか。
自分自身であるためには、戦いに勝たなくてはなりません。今まで、仲間等を戦いで失ってきたのでしょう。
だからこそ、これからは仲間を失わないように自分を鼓舞しているのです。
この血を流し尽くせ 傷跡を切り裂いて
運命を喰い破れ いくらでも悪あがけ
終わりのない夜を越えて 命を燃やし尽くせ
出典: インフェルノ/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
血は自分の血でもあり、敵の血でもあります。自分が傷つくことで前進するしかないのです。戦で無傷ではいられません。
もちろん、相手の血を見なければ自分が殺されます。
幾多の傷を見てきたのでしょう。死んでいった仲間の傷。自分の耐え難い痛みの傷。敵を打ち倒した時に致命傷を与えた傷。
運命という言葉では表現出来ないほどの無残な傷を見てきたのです。しかし、生き残るためには傷を見なくてはなりません。
傷を見なくなるということは「死んだ」ということです。悪あがきでもいいから、生き延びないといけないのでしょうね。
それほど死が蔓延する壮絶な世界。今夜も不安と恐怖で眠れない夜が訪れます。このつらい夜はいつまで続くのでしょう。
この命を燃やし尽くすまで続くのかもしれません。果のない戦いはまだまだ続きます……。
「インフェルノ」の歌詞の世界観はいかがだったでしょうか。
短い歌詞ですが、「ベルセルク」の戦いのエッセンスが凝縮されていました。
夜も眠れない戦いの日々に比べて、何と私たちの世界は平和なんでしょう。
そんな平和に感謝を込めつつ「インフェルノ」を聴くのもいいかもしれません。