成長を独特の世界観で表現
胸の奥 心の中にある
くだものが涙を吸い込み
少しずつ大きくなるんだ
その度に 僕もまた 大人になっていく
出典: こころにくだもの/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
自身の気持ちを受け入れることに、「くだもの」という独特な表現を使用しています。
気持ちを受け入れ成長していくときに、あなたの「くだもの」に代わるものがあるのでは?
私はあるのですが、ちょっと恥ずかしくて書けません。
でも振り返ってみると、いつの間にか「そいつ」はいなくなっていました。
大人になると「そいつ」は姿を消すようです。
なんとなく寂しさを感じてしまうのは私だけでしょうか。
切ない思い出がよみがえる
泣きたいときは歌うのさ
美味しいくだもの言葉に乗せて
誰にも知られないように
木陰に隠れながら
出典: こころにくだもの/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
幼いころツラく切ないことがあると、私だけしか知らない場所によく足をむけました。
その場所に座って歌うと、なんだか自然と気持ちが落ち着いた記憶があります。
米津玄師のそれは、木陰にある場所だったのでしょう。
正直な気持ちを伝えたかった
同じとこで何回も
間違う下手なピアノの音でも
僕には特別だったよ
出典: こころにくだもの/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
好きな子とつながっている気持ちになれるピアノの音。
上手いか、下手かは関係なく、そんな気持ちにさせてくれる大切な音です。
これって大人になってからも感じられる大事なことですよね。
好きな人が同じ職場だったとして、彼女が奏でるタイピング音があるだけで幸せを感じます。
大切な人とつながっていられる。
こんな感覚はいくつになっても変わらないようです。
人が別れを経験する大切さ
胸の奥 よりどりみどりの
くだものが悲しみを食べる
いま君は 何をしてるかな
君もまた 僕もまた 大人になっていく
出典: こころにくだもの/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
別れ。
ツラく切ないものもあれば、おめでとうと喜べるものもあるでしょう。
しかし、幼い頃の別れはほぼ前者です。
1つ1つのツラく切ない別れが、豊かでやさしい心を育てます。
あなたが大人になるまでに経験した多くの別れ。
とても大切な思い出として、いつまでも失くさずにしまっておきましょう。
米津玄師がくだものに抱くこと
りんご レモン ぶどう メロン
いちご バナナ みかん キウイ
出典: こころにくだもの/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
米津玄師がインタビューで語っていることがあります。
「くだものは人間に似ている」
彼らしいすてきな感覚で感心します。
いろいろなくだものがありますが、すべて種という心があります。
「こころにくだもの」に登場する「くだもの」は、彼自身の心を表現していたのでしょう。
ツラく切ないときは、自分の種=心を歌で癒していたのではないでしょうか。
こんな彼の独特の世界観が、私の彼に対するリスペクトをさらに高めました。