大森靖子『絶対彼女 feat.道重さゆみ』を奉納!

「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」第1弾

大森靖子【VOID】歌詞を解説!僕らはVOID(=何もない)!?ゲームのような恋愛模様の行方は…!?の画像

2019年、衝撃のメジャーデビューから5周年を迎える“超歌手”大森靖子

これまでの活動を総括する意味で手作り企画「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」を実行しています。

その第1弾として奉納されたのが『絶対彼女 feat.道重さゆみ』です

すべての女の子の“今”を全肯定した同曲は2013年の既発曲にして大森靖子のアンセムとしても知られています。

その『絶対彼女』を敬愛する元モーニング娘。の道重さゆみとまさかのコラボレーションしたのです。

しかし今回ピックアップしたい曲は『絶対彼女 feat.道重さゆみ』ではありません。

シングルの3曲目に収録された“性春”パンクソング『VOID(シン・ガイアズ ver.)』です

『VOID』=空っぽで何もない僕の恋

銀杏BOYZへの偏愛

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『VOID』=“何もない”、“空虚”と題された楽曲は元々2018年に発表されています。

それは『クソカワPARTY-銀茜宴"シルバニアフェス"-』盤に新録弾き語りとして収録されていたのです。

アコギ1本でヤケクソ気味に歌われる『VOID』は大森靖子の“あるバンドへの偏愛”を込めて制作されています。

それは彼女が10代の頃に命を救われたとも公言する銀杏BOYZです。

『VOID』は本来、峯田和伸に歌ってほしい内容が綴られています。

つまり『VOID』は初期銀杏BOYZの遺伝子を大森靖子のフィルターを通して作られた曲なのです。

弾き語りからバンド「シン・ガイアズ」ヴァージョンへ

VOID(シン・ガイアズ ver.)/大森靖子

今回『VOID』の再録に当たり大森靖子は自身のバンド「シン・ガイアズ」に演奏を託しています

2019年2月に公開されたMVでは音源からさらに一歩踏み込み、自撮り映像を交えた構成に編集。

映像の中で大森靖子が着用しているのはKeisuke Kandaデザインの1点モノTシャツです。

「シン・ガイアズ」は凛として時雨のピエール中野きのこ帝国のあーちゃんなど錚々たる面子が揃っています。

ツアーバンド、そしてレコーディングメンバーとしても欠かすことのできない存在なのです。

そしてバンドの共通点は銀杏BOYZが好きすぎること!

そのため『VOID』は初期銀杏BOYZが蘇ったかのような演奏を聴かせてくれるのです。

その熱い想いは2018年2月28日付けの彼女の5000字以上に及ぶブログをお読みいただければ伝わることでしょう。

昨日は世界一の、わたしの特別なバンド、銀杏BOYZとのツーマンライブでした。生き抜いて、ライブにきてくださって、来れなくてライブのことを思ってくださった方も、本当にありがとうございました。私も、私自身に、生き抜いてくれてありがとうを。そして何より、私を存在さ

空っぽで何も残らない僕らの恋

僕らはVOID(=何もない)!?

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今回ピックアップするのは『VOID(シン・ガイアズ ver.)』の歌詞、そして世界感です。

これ以上ないほどに切ないラブソングである楽曲になぜ『VOID(何もない)』という題を付けたのでしょう?

そもそも大森靖子がストレートにラブソングを歌うことは滅多にないことです。

本記事では歌詞の流れに沿ってその世界観を紐解いていこうと思います。

“僕”が“君”を部屋に誘う理由

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家をぬけ出して僕の部屋においで
君のこと なんも聞きはしないから
僕じゃ満足できなかったなら明日忘れていいから
I WANNA BE YOUR PINK PINK ROLLING STAR

出典: VOID/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子

“void”には“何もない”というニュアンスの形容詞と“なかったことにする”という動詞があります。

アコースティックギターをがむしゃらにかき鳴らすイントロ。

繰り返される舌打ちやシャウト、やけっぱちな歌唱法、そして性急すぎる演奏。

楽曲全体に漂うのはどうしようもないやるせなさです

主人公である“僕”には何よりも大好きな“君”がいます。

“君”は複雑な家庭環境にいる、もしくは“僕”ではないステディがいるのかもしれません。

楽曲を通して2人の心は通じ合うことはありません。

1つだけハッキリと分かるのは2人の共通点が“虚無”にあることのみです。

“僕”は心が自身に向かうことのない“君”を自宅に誘います。

居場所のない“君”にとって都合のいい“僕”の家はシェルターのような空間なのでしょう。

ピンク・ローリング・スターとは都合のいい玩具というニュアンスの造語だと思われます。

大切な“君”が安らげるなら“僕”はそれで満足なのです